日常細事2021pre


kiji

2022.1.24 諺集に見るわが人生(52)
 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「あ行」の「う」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
 「売り家と唐様で書く三代目」これは江戸川柳から。「家業をおろそかにして家を売るはめになった三代目が『売り家』の札を道楽で覚えた唐様の書体(明の書風をまねた漢字の書体)で書いていると皮肉ったもの。よく代々長く続く家系には「家訓」が残されていて、一家の長たるものはそれを厳しく守るからこそ家が存続できる。要は親の教育次第ということになる。守るべきものがあるものには、自由放任の教育では兎角家の掟は守れないものだ。
 「売り言葉に買い言葉」相手の暴言に対して、こちらも負けずに同じ調子で暴言を返すこと。売る言葉に買う言葉」 ともいう。双方が感情的になると話は収まらない。
 職場などでもよく見かけるシーン。相手が感情的になるとこちらが冷静を保つのは難しい。議会など見ていると質問する側が挑発的言辞を弄することが多いが、回答する側はそれを受け流す度量の広さが求められる。「やり返す」と足元をすくわれる。相手の一本勝ちになる。
 「瓜に爪あり爪に爪なし」「瓜」という字にはつめ(_、)があり、「爪」という字にはつめがないの意味で、瓜と爪の字画のちがいを教えることばの一つ。
 類語で、片仮名のトの字に棒の引きようで上になったり下になったり/戌(いぬ)に棒あり戊(ぼ)に棒なし。
 漢字の形が似ている代表例として「未」と「末」が上げられる。これらの字は上の横棒が短いか下の横棒が短いか、たったこれだけの違い。こうした書き間違えを誘う文字は結構多いものだ。
 「瓜の蔓に茄子(なすび)はならぬ」瓜とは、キュウリ・スイカなどのウリ科の植物のこと。 茄子はウリ科ではないが、形は瓜に似ている。 しかし、瓜のツルには瓜しか実らないのであって、形が似ている茄子でも瓜のツルに実ることはないことから、平凡な親から非凡な子は生まれないことの喩。また、原因のないところに結果は生じないということの喩。 (類義)蛙の子は蛙/燕雀鳳を生まず(えんじゃくほうをうまず)/狐の子は面白(つらじろ)/この親にしてこの子あり/鳶の子は鷹にならず/など。
 (対義)として、鳶が鷹を生む/百舌が鷹を生む/など。私なども「瓜の蔓から瓜しかならない」の口である。 次回に続く。


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