2022.3.21 諺集に見るわが人生(68)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「あ行」の「お」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「起きて半畳寝て一畳」必要以上の富貴を望んでも、仕方がないということ。どんなに大きな家に住んでいようと、人一人が占める場所は、起きているときは半畳、寝るときは一畳あれば充分足りることから。これに
続けて天下取っても二合半」という。「天下取っても二合半」とは、「人は1度の食事で二合半以上食べることはできない、例え天下を取ってもそれは変わらないので贅沢を望むべきではない」ということ。
とはいっても欲に際限はないから、天下を取ってもさらに自分の領土を広げようとするのが英雄で、ナポレオンはロシアを深追いし冬将軍に敗れたという史実がある。
「沖にも付かず磯にもつかず」頼るところのないことのたとえ。どっちつかずの状態でいる様。沖にも磯にも寄り着かず。「沖にも磯にも寄り付かず」ともいう。中途半端な気持ちで決めかねることはよくあることだ。そのことが自分の望まぬ方向にいってしまうことだってある。
「屋上屋を重ねる」ムダなことを繰り返すことの喩。屋根の上にもうひとつの屋根をつくる意から。屋根が一つでも二つでも「雨風をしのぐ」という効果にはかわりがなく、2つめ、3つめの屋根はあっても意味がない。 このように、重ねても意味がないのに重ねてしまうものは、日常生活で多く見受けられる。(類義)「屋下に屋を架す」四世紀の中国、東(とう)晋(しん)王朝の時代。庾闡(ゆせん)という文人が、「揚都(ようと)の賦」という文章を作り、すばらしい作品だと大評判になった。しかし、時の実力者、謝安(しゃあん)は、すでに同じように都会の繁栄ぶりを描いた名文がいくつかあり、それらには及ばないところから、「此(これ)は是(これ)屋下に屋を架するのみ(この作品は、屋根の下に屋根を作ったように、何の新しみもない)」と述べたことが由来。テレビなどでコロナやロシアのウクライナ侵攻の行方について評論家は同じような話を語るだけで、明確な結末を断言できませる者はいない。 次回に続く。
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