2022.5.14 諺集に見るわが人生(84)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「か」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「外柔内剛」外見は穏やかでやさしそうだが、心の中は何事にも左右されない強い意志をもっていること。外見は弱々しく見えるが案外気の強いことにもいう。▽「柔」は穏やかなこと。おとなしいこと。「剛」は意志などが強いこと。出典は『晋書』の一節、「卓は、外柔らかく、内剛く、政を為すに簡恵なり。」から.。わたしもそういう人物像を理想とするが、果たして他人から見てそうであるかは別の話である。
「快刀乱麻を断つ」複雑な問題や紛糾している事態を見事に解決することのたとえ。「快刀」とは切れ味鋭い刀のことで、「乱麻」はもつれた麻糸のこと。よく切れる刀で、もつれた麻の糸を見事に断ち切るという意味から、複雑な問題やごたごたした事態を鮮やかに解決するということ。
単に「快刀乱麻」とも。出典は『北斉書』の「文宣帝紀」という章。この物語の内容は「中国の南北朝時代、北斉という国の基礎を作った高歓は自分の子どもひとりひとりの判断力を試そうと考えた。そして、彼は子どもたちに、からまった麻糸のかたまりを渡し、麻糸を元に戻すように命じた。
その時、次男の高洋だけは刀を抜いて、からまった麻糸の固まりを斬り「乱れたものは斬らなければならない」と言った。これに高歓は深く感心した。高洋はこの後、北斉の初代皇帝になった」
例えば「取引先にまで普及していたあのごたごたを、快刀乱麻を断つように見事に処理した課長はさすがだ」などと使う。
「櫂(かい)は3年櫓(ろ)は3月」櫓の扱い方を覚えるには3月もあればよいが、櫂を自由自在に扱えるようになるには、3年あっても足りない。一人前になるということは、並み大抵のことではないというたとえ。板前の会話「なに、また仕事を変わりたいって」「毎日下働きばかりでつまらないんだ」「当たり前だ、板前がすぐに勤まるか。櫂は三年櫓は三月といって、なんでも一人前になるのはたいへんなんだ。もう少し辛抱しろ」ちなみに、板前になるには調理の技術の外に調理師免許が必要になる。
〔類義〕顎振り三年/棹は三年櫓は三月。
次回に続く。
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