日常細事2021pre


kiji


2022.5.3 諺集に見るわが人生(81)
 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「あ行」の「お」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
 「及ばぬ鯉の滝登り」どんなに努力しても目的を達成することは不可能であること」を意味する。「(及ばぬ)恋」と「鯉(の滝登り)」をかけて、多くは、叶わぬ高望みの恋に対して使われる。
 (類義) 高嶺の花/花は折りたし梢は高し。男たる者人生に1回ぐらいは、こうした恋をするのもいいもんだ。
 「終わり良ければ総て良し」途中経過でミスやいざこざがあったとしても、最終的な結果さえよければ問題にならないということ。イギリスの作家ウィリアム・シェイクスピアの劇 "All's well that ends well" が由来。人生の機微を表す場面でよく使われる言葉で「色々あったけれど、めでたしめでたし」や「失敗もあったけど最終的にはよかった」「失敗は考えない」というニュアンスが含まれる。長い人生いろいろあるが、結構シャンシャンで終わりを〆ることが多い。
 「穏座の初物」果物、野菜など盛りが過ぎる頃のものは、かえって、出はじめの初物のように珍重されること。物事の終わりが良いとき、老人が良いことや珍しいことをしたとき、また、知識、芸能などが晩成であることなどにもたとえていう。終わり初物。穏座とは朝廷などで正式の宴会がすんだあと、くつろいで行う略式の飲食や奏楽(二次会)。転じて盛りが過ぎた物、とくに野菜や果物についていう。
 あまり使われないことわざだが、多分「大器晩成」といった長生きしないと結果がはっきりしないものだからなのかも知れない。
 「温凊定省(おんせいていせい 」親孝行をすること。冬は暖かく、夏は涼しく過ごせるように気を配り、夜には寝具を整え、朝にはご機嫌をうかがうこと。子が親に仕えて尽くすべき心がけを説いたものである。▽「凊」はすずしい意。「定」は寝具を整え、快適に安眠できるよう配慮すること。「省」はかえりみる意で、安否を問う、ご機嫌うかがいをすること。
 出典『礼記(らいき)』曲礼(きょくらい)上。「凡そ人の子たるの礼、冬は温(あたた)かにして夏は凊(すず)しくし、昏(くれ)には定めて晨(あした)に省(かえり)みる」
 現代は親が年を取り、手がかかるようになると、直ぐ養護施設に入れて済ませてしまう時代である。 次回に続く。




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