2022.6.12 諺集に見るわが人生(93)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「か」から始めて、回顧 していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「鎹(かすがい)思案(じあん)」二つのことをどちらもうまくやろうと考えること。鎹でつなぎとめるように、二つのことをどちらも得ようと考える意から。鎹とは二つの材木を繋ぐめのコの字型の釘。
「子はかすがい」ということわざはよく見聞きするが、かすがいのように、夫婦をしっかりとつなぎ留めておくのに、子供の存在は大きいということ。最近は若年離婚も多く、必ずしも子は鎹にはならない。
「河清を俟つ(かせいをまつ)」(黄河が澄むのを待っても無駄なように)いくら待っても、望みの達せられないこと。「百年河清を俟つ」とも。出典には「子駟(しし)曰く、周詩に之有り、曰く、河(か)の清(す)むを俟つも、人寿幾何(いくばく)ぞ」子駟が言った、
周の詩にこうある。濁った黄河が澄むのを待っていては、人の寿命がいくらあっても足りないではないか。とある(百年黄河の澄むを待つ)。
現実にはこういうことはよくあるが、このことわざを使うという表現法はあまり見かけない。「百年黄河の澄むを待つと言われるように自分の望みは達せられない」などいうフレーズなどは使ってみたい。
「風が吹けば桶屋が儲かる」江戸時代の『世間学者気質』という草子の中には、次のように描かれている(差別用語があるので一部書き換えた)。
「今日の大風で土ほこりが立ちて人の目の中へ入れば、世間に失明した人が増える。失明した人は三味線を習うから、そこで三味線がよく売れる。そうすると猫の皮がたんといるによつて世界中の猫が大分へる。そふなれば鼠があばれ出すによつて、おのづから箱の類をかぢりおる。爰で箱屋をしたらば大分よかりそふなものじやと思案は仕だしても、是も元手がなふては埒明ず」
このようなことから、「一見なんの関係もないようなところから、意外なところに影響が出る」という意味で、『風が吹けば桶屋が儲かる』ということわざが使われるようになった。
実際現在でもウクライナ戦争で世界が制裁などの影響で例えば、株や不動産の世界では一見無関係な事柄によって価格が上下するケースはよくある。これらは投資家が市場の先読みをすることが多いからである。今まさにこのことわざが生きている。
次回に続く。
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