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2022.10.19 諺集に見るわが人生(130)
 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「き」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。

 「機先を制する」相手よりも先に行動を起こすことで、自分を有利な位置に置くこと。
(類語)先手を奪う。先手を取る。先んずれば人を制す。先手必勝。
(由来)孫子の「先んじて戦地に処(お)りて、敵を待つものは佚(いつ)す」
(例文)桶狭間の戦いでは、人数も戦力も大きく劣る織田信長勢が、今川勢の油断している間に機先を制し、下馬評を大きく覆す勝利となった(www.tutitatu.com)。
何かを始める時に、このことわざやその類語は普段の会話の中でもよく使われる。

 「驥足を展ぶ(きそくをのぶ)」才能ある人物が、さらにその才能を伸ばし、発揮するということ。自由に振舞う。気ままに行動する。
(説明)「驥足」は一日に千里を走るという名馬の優れた脚力をいう。転じて、優れた才能のこと。
(出典)三国志「魯粛(ろしゅく)備に書を遣(おく)りて曰く、土元は百里の才に非ず、治中別駕(ちちゅうべっか)たらしめば、乃ち(すなわち)其の駿足を展ぶるを得んのみ、と(魯粛は劉備に手紙を送って『龐統(ほうとう)は百里四方程度の小さな県の長官には適さない。州の長官の副官につけたら、その才能を十分に発揮することができるだろう』と言った」とある。
中々見かけないことわざだが例文として「つい旅先では驥足を展ばしたくなるんでございますね〈井伏・駅前旅館〉」を示す。

 「木七竹八塀十郎(きしちたけはちへいじゅうろう)」木を切るには七月、竹を切るには八月、土塀を塗るのは十月が適しているということ。月はいずれも陰暦で、人名のように語呂をあわせて覚えやすくしたもの。現在の暦に置き換えると、「木を伐る時期は、7月上旬~8月上旬」、「竹を切る時期は、9月上旬~10月上旬」、「壁を塗る時期は、11月上旬~12月上旬」が、最良でこの時期に行うと丈夫で長持ちするという言い伝え。
昔の木造家屋が長持ちするのは、「木六竹八塀十郎」の様な決まり事を大切に守ってきたからだろう。
似たようなことわざに「桃栗三年柿八年」がある。こうした生活の知恵になることわざを日本人は多く残している。 次回に続く。

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