2022.12.6 諺集に見るわが人生(144)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「き」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「漁夫の利」両者が争っているのにつけ込んで、第三者が利益を横取りすることのたとえ。
出典は少し長くなるが、中国の戦国時代の話から。趙(BC403~BC228 戦国時代に存在した国。戦国七雄の一)が燕(BC1100~BC222 周・春秋・戦国の時代に存在した国。現在の北京周辺の土地を支配した。戦国七雄の一)を討とうとしていた。蘇代という遊説家が燕のために、趙の恵文王のところに言ってこう説きました。「今回こちらに来る途中易水(河北省を流れる川。現在の中易水)を渡りました。そこに蚌(はまぐり)が出てきて、鷸(しぎ)がその身をついばみました。すると蚌は鷸の嘴(くちばし)を挟みこんでそのままぴたりと口を閉じてしまいました。鷸は『今日も明日も雨が降らなければお前は死んでしまうだろう』と言いった。蚌も負けずに『そっちこそこのままなら死んじまうだろう』と言い返した。両者はお互いに譲ろうとしない。そこに漁師がやってきて鷸と蚌の両方を捕まえてしまった。今、趙は燕を討とうとしているが、燕と趙が争って民衆が疲弊すれば、強大な秦(しん)(BC778~BC206 周・春秋・戦国の時代に存在した国。BC221に中国を統一したが、BC206に滅亡。首都は咸陽)が乗り出し漁夫の利をかっさらっていきはしないでしょうか?どうか大王様、ここはぜひともよくお考えください」
これを聞いた趙の恵文王は「なるほど」と言って燕攻めをやめた。
この話が元になって「漁夫の利」という故事成語ができたのだそうだ。
使い方の例として、これは空想だが(私は競馬を直接見たわけでもないので)本命馬と対抗馬が競り合いの駆け引きをしている隙に脇から抜け出てゴールを駆け抜けた馬がいた。この馬は漁夫の利を得たのだろう。かな。 次回に続く。
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