日常細事2022pre


kiji


2022.8.27 諺集に見るわが人生(115)
 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「か」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
 「換骨奪胎(かんこつだったい)」古人の詩文の表現や発想などを基にしながら、これに創意を加えて、自分独自の作品とすること。他人の詩文、また表現や着想などをうまく取り入れて自分のものを作り出すこと。骨を取り換え胎盤を奪い取って、自分のものとする意から。詩文の創作法として「換骨」は、古人の詩文の意味を変えないで字句を変えること。「奪胎」は古人の詩文の内容・主意を取って作りかえること。今では、他人の作品の一部を作りかえて、新しいもののように見せかける意に用いられることもある。
 (出典)宝覚真空禅師録(1346)乾・頌古・僧問趙州、十二時中、如何用心「換骨奪胎真秘訣、臨行抛在栢庭西」
 (例文)「過去の傑作をうまく換骨奪胎した小説だ」や「この作品は既存作品の換骨奪胎に過ぎない」といった使い方ができる。かなり古典的表現法で昨今では見かけることはない。漢字が難しいせいもあるだろう。
 「閑古鳥が鳴く」人が集まらずものさびしい様子。特に商売などがはやらず、さびれている様子をいう。閑古鳥とは、カッコウの別称。人のいない山里でカッコウの鳴き声がもの悲しく聞こえるさまから。
 コロナ禍の不景気で温泉街も土産店にも「閑古鳥」が鳴いている。
早く閑鳥の鳴き声が遠のき、門前市を成し、人々のざわめきが戻るのに期待しよう。 
 「雁書(がんしょ)」手紙のこと。中国漢の昭帝のとき、匈奴は漢と和睦を結んだが、漢の使者蘇武(そぶ)を捕らえ、武は死んだと言い張って帰さなかった。そこで帝は、庭園で射落とした雁(ガン)の足に、武の生存を伝える手紙を収めた帛(はく)(絹布)が結んであったと詐(いつわ)って、匈奴と交渉し、ついに蘇武は帰国することができた、と伝える『漢書(かんじょ)』「蘇武伝」の故事による。
 雁は候鳥(こうちよう)で,秋には南に渡り春には北に帰るところから,中国では遠隔の地の消息を伝える通信の使者と考えられ,雁信,雁書の説が生まれた。私も年に3-4回ほど礼状を兼ね遠隔地の友人に書簡を送っている。 次回に続く。


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