日常細事2022pre


kiji


2022.8.6 諺集に見るわが人生(109)
 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「か」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
 「枯れ木に花」 いったん衰えたものが再び栄えたり、起こるはずのないことが起こったりすることのたとえ。 また、望んでも不可能なことのたとえ。 「枯れ木に花咲く」とも言う。もう一つ、「嘘や作り事で取り繕う」という意味を持ち合わせている。
 「類義」炒り豆に花が咲く。埋もれ木に花咲く。老い木に花咲く。職人の世界では匠と呼ばれる人はいくつになっても花を咲かせる技を持っている。羨ましい話だ。
 「枯れ木も山の賑わい」つまらないものでも、無いよりはましであるということ。また、役に立たない者でも、いないよりはいたほうがましだということのたとえ。何もない殺風景なはげ山よりも、たとえ枯れ木でもあれば山の趣を添えてくれ、風情を賑わしてくれるということから。自分のことを謙遜して言う言葉で、老人が若者に混じって何かをする際などに多く用いる。自分を謙遜して言う言葉なので、他人に対して使うのは失礼にあたる。
 「類義」蟻も軍勢。餓鬼も人数。枯れ木も森の賑わかし。枯れ木も山の飾り。歪み木も山の賑わい。こういう訳で年を取って枯れても員数に入れば、山の(集いの)賑わいになる。長い人生も捨てた物じゃない。
 「彼も一時、此れも一時(かれもいちじ、これもいちじ)」時とともに、世の中のことは移り変わっていくものである。だから、あの時はあの時、今は今で、あの時と今とを単純に比べることはできないということ。また、栄枯盛衰も一時限りであるということ。「彼」は、あの時の意。
出典 『孟子』孟子が斉を去って鄭に帰るとき、弟子から「先生は浮かない顔をしていますが、君子はどんなことがあっても天を恨んだり、人をとがめたりしないものだとおっしゃったじゃないですか」と言われ、答えた言葉から。
 時に関する孟子の感性は今の時代でも古びることなく輝いている。 次回に続く。



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