日常細事2022pre


kiji


2022.9.17 諺集に見るわが人生(121)
 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「か」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
 「完膚無きまで(かんぷなきまで)」無傷なところが無いほど徹底的にやり込められるさまをいう。「完膚」とは、傷のない完全な皮膚のこと。
 唐の王朝に反乱を起こした蒋鎮が同僚の劉廼を自分の味方にしようとしたが、口がきけないふりを装って返答しなかった劉廼に、蒋鎮は全身に灸をすえて皮膚を焼いてやけどを負わせたという故事に基づく。
  現在では、スポーツで相手チームと戦うときに「手加減しないで戦え」という意味合いで、「完膚なきまでに叩きのめせ」などと言われる。
 「完璧」完全で、欠けている点がまったくないこと。
 「璧」は玉のことで、璧を全うする(完全に守る)こと、転じて、少しのきずもない玉、完全無欠なものをいい、さらに、人から借りた物を返すこと、だいじな物を取り返すことをもいう。中国戦国時代、趙(ちょう)の恵王が所有する名玉「和氏(かし)の璧(たま)」を秦(しん)の昭王が欲しがり、15の城との交換を強要した。この交換条件が履行されず、玉が取り上げられたままになるのは明らかであったが、このとき秦に使した藺相如(りんしょうじょ)の命をかけた働きで、璧を完(まっと)うすることができた、という『史記』「藺相如伝」の故事による。
 よく璧という字と壁を書き間違えるが、元の話を一度、知れば、「璧」を「壁(かべ)」と間違えて書くことは、もうなくなる。
 なお私のパソコンの辞書では「ぎょく」でも「たま」でも『璧』はでてこない。「かんぺき(完璧)」と入力しないと表示できないのも面白い。
 「頑迷固陋」「頑迷」と「固陋」という2つの語句から構成されている。 「頑迷」は、頑固で柔軟な考え方ができず、物事の道理がわからなくなっていることを意味する。 「固陋」も、考え方が古く、新しいものを受け入れることができないことを意味する。 つまり「頑迷固陋」は「頑迷」と「固陋」というほぼ同じ意味をもつ2つの単語を組み合わせて、 頑固で視野が狭い という様子を強調している。 「頑迷固陋」は、明治末期に日本で作られた和製漢語。
 漢字を見ただけで意味がイメージできる。だが書くのは難しい。 次回に続く。


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