2022.9.9 諺集に見るわが人生(119)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「か」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「関東の食い倒れ上方の着倒れ」関東の人は食べる物にぜいたくをして家計を苦しくし、関西の人は着る物に凝って家計を苦しくするということ。
[類句]京の着倒れ、大阪の食い倒れ/甲州の着倒れ、信州の食い倒れ。
これは江戸時代の一種の文化の相違を端的の表したもので、交通の発達した今では通用しないかもしれない。
「艱難汝を玉にす」 人は困難や苦労を乗り越えることによって、初めて立派な人間に成長するということ。地中から掘り出された祖玉が磨かれて美しい玉になるという意から。「艱難汝を玉にす」は西洋のことわざ"逆境は人を賢くする"の英訳があてられ、次のようになる。
"Adversity makes a man wise." 「逆境は人を賢くする」
「Adversity」は逆境や困窮といった意味を表している。
また「賢くする」をもう少し抽象化して「人とする」と訳した例もある。珍しく西洋のことわざと併記して示すことになった。多分高校の英語の事業で教わった記憶があるのかも知れない。私も一応成人して苦労はしたが、玉になるほど立派な人間になれたかは疑問だ。
「感に堪えない」言葉には言い表せないほどの深い感動を覚えること。感動の大きさに堪えきれない意から。例文に「余りの嬉しさに感に堪えない様子で、涙をこぼした」「十年前の街並みと比べると、今昔の感に堪えない」があげらる。
「堪忍袋の緒が切れる」我慢できる許容量を超えて、怒りが爆発することのたとえ。
【注釈】「堪忍袋」とは、堪忍する心の広さを入れる袋にたとえたもの。その堪忍袋がふくらんで緒(しばった紐)が切れることから、じっとこらえていた怒りが爆発することをいう。どうも人によって緒の太さが違うようで、年中頭から火を出して怒りまくっている吾人もいる。そういうのを『雷親父』と呼ぶのだろうか。 次回に続く。
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