2023.7.14 諺集に見るわが人生(200)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「こ」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「氷は水より出でて水より寒し」弟子が師よりもまさることのたとえ。水からできた氷が、もとの水よりもつめたくなることから。荀子の言葉で、「青は藍より出でて、藍より青し。氷は水これをなして、水より寒し」に由来する。「出藍の誉れ」のほうが広く使われる。
「呉下の阿蒙(ごかのあもう)」いつまで経っても進歩しない人のことを指す言葉であり、基本的には悪い意味合いで使われているが、あとに「~にあらず」を付け加え、よく進歩する人という意味に変えて、褒め言葉として利用することもできる。また、「阿蒙」の部分は「おバカちゃん」という意味も同時に含んでいて、この一語だけで「おバカな蒙ちゃん」という意味を表している。
中国三国時代、呉王ごおう孫権そんけんの将軍の魯粛ろしゅくが呂蒙に会ったとき、以前とは比べものにならないほどの博学多識ぶりに感服し、「君は武略に通じているだけの人間だと思っていたが、今では学問も上達して、もう呉にいたころの蒙さんではない」と言ったという。
〔使用例〕「きみはもう3年間も中国語を勉強しているが、少しも進歩の跡が見えないね。中国ではきみみたいな者を呉下阿蒙というのです」とか、「いつまでも呉下阿蒙では困ります。しっかり勉強してくださいよ」などと使ったりする。
中国の故事はスピーチなどで使われる.
「弧丘の誡め(こきゅうのいましめ)」人は、地位や収入が高くなればそれだけ他人から恨みをかうので身を慎むようにという戒め。
(故事)中国、春秋時代、狐丘の地の長老が楚(ソ)の孫叔敖(ソンシュクゴウ)に「人には三つの恨みがある」と教え、孫叔敖は「位が高くなったらますますへりくだり、職権が増せばますます他への気配りを細かにし、収入が増えれば他への恵みを厚くします」と答えた故事から。〈『列子』〉
「 他人からうらまれないようにといういましめ」だが、三つの恨みすべて免れるのは難しいようで、日々悩まされる人は多いだろう。 次回に続く。
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