2023.7.19 諺集に見るわが人生(201)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「こ」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「故郷へ錦を飾る」「故郷へ錦を飾る」故郷を離れていた者が、立身出世して華やかに帰郷することのたとえ。「錦」とは種々の色糸や金銀糸を用いて模様を織り出した絹織物のことで、総じて豪華な織物をいう。功成り名を遂げた者が、それで身を着飾り故郷に帰る意味から。
(由来) 「梁書―柳慶遠伝」に出て来ることばから。六世紀初め、南北朝時代の中国でのこと。梁王朝を開いた武帝は、大臣の柳慶遠をとても信頼していました。柳慶遠が出身地の中国西部の長官として赴任するときには、「そなたが『錦を衣きて郷に還える(豪華な衣服を着て故郷へと帰る)』ことになったから、私は西の方の政治については何の心配もない」と言って送り出したということです。
「虎渓三笑(こけいさんしょう)」瀧の落ちる渓流に大笑する人物が三名。
ここは中国の廬山(ろざん)にある虎渓という渓流。
廬山に隠居し虎渓を出ないと誓っていた慧遠法師(えおんほうし)(中央)は、ある日訪ねてきた陶淵明(とうえんめい)(向かって左)と陸修静(りくしゅうせい)(同右)と世を忘れて清談に興じていた。
二人が帰る段になったときのこと。慧遠法師が二人を送る途中、話に夢中になるあまり、気づいたときには虎渓を数百歩出てしまっていて、そのとき三人手を打ち大いに笑ったという。この故事を虎渓三笑といい、日本では室町時代以降に水墨画の画題として多数描かれた。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)」とは、「身の危険を冒さなければ成果を上げられない」という意味のことわざ。虎子は文字通り虎の子どものことで、ここでは「成果」を表している。虎子を捕まえるには虎が住むほら穴に入らなければならないことから、成果を上げるにはそれなりの危険が伴うという意味合いで使われる。
(由来)漢の時代、虎穴に入らずんば虎子を得ずの出典は『後漢書』の班超伝で、匈奴との戦いで危機に陥った際、後漢の班超が部下に言って勇気づけ、匈奴に突撃させた際の言葉に由来する。 次回に続く。
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