2023.7.6 諺集に見るわが人生(198)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「こ」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「紺屋の白袴」紺屋が、自分の袴は染めないで、いつも白袴をはいていること。他人のことに忙しくて、自分自身のことには手が回らないことのたとえ。こうやのしらばかま。一説に、染色液を扱いながら自分の白袴にはしみ一つ付けないという職人の自負を表したことばともいう。
(類義語)・医者の不養生・易者身の上知らず・学者の不身持ち・駕籠舁き駕籠に乗らず・髪結い髪結わず・儒者の不身持ち
など多数。
仕事に精いっぱいで家族を顧みず。女房に逃げられる職業は確かにある。ドラマの刑事などに多く見られる。
「甲羅を経る(こうらをへる)」 年功を積む。熟練する。また、世間ずれしてずうずうしくなる。「甲羅」とは、亀(かめ)や蟹(かに)などの背中のかたい甲のことを言う。また、人の背中を表すこともある。
(由来)「甲羅(こうら)」の「甲(こう)」と、「功(こう)」や「劫(こう)」が同じ読みであることから、「年功」や「劫﨟」などの意味合いとして使われるようになったようだ。
(例文)長年、甲羅を経てきても、まだなお修業は続く。
「紅炉上一点の雪(こうろじょういってんのゆき)」紅炉の上に置いた雪がたちまちとけてしまうように、私欲や迷いなどがすっかりとけてしまうこと。
紅炉とは火が盛んに燃えているいろりのこと。
(出典)中国の宋代の公案集『碧眼録』の一節。
啗啄(たんたく)の無き処、祖師の心印、
状(かたち)、鉄牛の機に似たり。
荊棘林(けいきょくりん)を透る衲僧家、紅炉上一点の雪の如し。
(意訳):言葉では言い表せない世界、つまり祖師の悟りというものは、大きな鉄の牛のように途方もなく大きい。難解な公案を透る修行僧は、消えて跡がなくなる火中の雪のようだ。
つまり、目に見えているものは消え去ってしまったりするが、大切なものは目に見えずに残っていく。 次回に続く。
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