2023.8.16 諺集に見るわが人生(208)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「こ」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「後生より今生が大事(ごしょうよりこんじょうがだいじ)」先のことより、現在のことが大事であることで、おぼつかない来世のことを考えるより今をいかに生きるかが重要だという意味。 「後生」来世。 仏教で、死後生まれ変わる世界。 「今生」現世。
ヒッチコック監督映画『知りすぎていた男』の主題歌で、主演女優で歌手でもあるドリス・デイが歌った「ケセラセラ」 (アカデミー歌曲賞を受賞した)を思い出す。ケセラセラは直訳すると「何が来るものなら来るがいい」を意味し、この表現は、未来の結果について過度に心配せず、現在の状況を受け入れるという意味合いを持つ。
「小食(こしょく)は長生きのしるし」飲食を節制すれば長命であることをいう。 暴飲暴食を戒める言葉。
(類義)・大食短命・大食は病のもと・腹八分目・腹八分目に医者いらず
私などは子供時代の反動で大食の時期もあったが、老いた今は小食で十分になった。腹をすかした方が飯が旨い。
「古人の糟粕(こじんのそうはく)」聖人の残した言葉や文章。聖人の道は言葉で伝え尽くすことはできず、書物に残された聖人の言葉は酒かすのようなものであるということ。
(故事)中国斉の国の桓公が読書をしていると、車輪作りをしていた男が「殿様がお読みになっているのは、どんな本ですか」と尋ねた。桓公は「聖人が書かれた本だ」と答えた。すると男がまた「その聖人は今生きておられますか」と尋ねたので「いや、もう亡くなられた人だ」と答えると「それでは殿様が読んでおられるのは、昔の人が残したかすのようなものですね」と言ったという故事による。「荘子」天道から。
文明というものはそうした糟の上に成り立っているのかもしれない。 次回に続く。
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