2023.9.27 諺集に見るわが人生(218)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「こ」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「惟日も足らず(これひもたらず)」やるべきことが多く、一日中かかってもまだ足りないこと。
(訳文)善人は、善いことをするのに、一日中かかりきりになってもまだ足りなく、悪人もまた、悪いことをするのに一日中かかりきりになってもまだ足りない
出典・ 書経・ 泰誓 (たいせい)・中「吉人善を為すは、惟日も足らず、凶人不善を為すは、亦惟日も足らず」とある。
(例文)惟日も足らずと思えるほど熱中できる何かがあるのは幸せなことだ。
「此(これ)もまた人の子なり」どんな境遇の者でも同じ人間だから大切にしなければいけなという戒めのことば。
(出典)六朝時代における「四海の内皆な兄弟」の思想。
「蕭統しょうとう」の「陶淵明伝とうえんめいでん」
中国、東晋とうしん末の詩人、陶淵明が彭沢(ほうたく)の県令として単身赴任した時、郷里にいる我が子の世話をさせるための下男を一人送った。その時に添えた手紙の中のことば。
(例文)貧しいものも此もまた人の子なり。貧しいからと卑しんではいけない。
(類義)「人類みな兄弟」トルストイ曰く「キリストの教えの一番主要なところは,彼が万人を兄弟と認めた点である。彼はいかなる人の中にも自分の兄弟を認めた。姉妹を認めた。したがって,彼は万人を,よしんば相手がだれであろうとも,どのような人物であろうとも,平等無差別に愛しいつくしんだ」と。
人を生まれ素性で差別することは良くないことだが、世界を見ればこうした差別を行っている国は多い。悲しい現実である。
「転ばぬ先の杖」失敗やトラブルを避けるために、事前に用心や準備をしておくことを意味する。転んでからでは遅いので、未来に備えて杖を持っておくという例えで、この言葉は江戸時代の浄瑠璃に由来するとされている。類語には「濡れぬ先の傘」「石橋を叩いて渡る」などがある。
私は旅行に出かけるとき、折り畳みの携帯傘を持参する。これなどは「転ばぬ先の杖」の典型だろう。 次回に続く。
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