2023.1.24 諺集に見るわが人生(154)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「く」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「腐れ木は柱とならず」能力のない者はその地位を保つことができないというたとえで、腐った木は柱には使えないことから。「朽ち木は柱と成らず」ともいう。
( 出典)《「漢書」劉輔伝から》腐った木が柱にはならないように、いつ災いを招くかわからないから、品性の卑しい人を主人としてはいけない。
政治家などに最近富にこういう者が出てきており、職を追われている。正義を貫く気概に欠けるからだ。
「孔子の倒れ( くじのたおれ)」孔子のような賢人でも,失敗することがあるというたとえ。くじだおれ。「くじ」は、孔子(こうし)の呉音読み。
(例文)孔子の倒れというが、まさかあの天才が単純な計算ミスをするなんて。
(類語)河童の川流れ・弘法にも筆の誤り・猿も木から落ちる・上手の手から水が漏れる・竜馬りゅうめの躓つまずき・念者の不念
類語が多くあるように、名人・天才でも間違いは犯す。ましてや凡人においておや。
「櫛の歯を挽くが如し」くし【櫛】の 歯(は)を挽(ひ)くが如(ごと)し
人の往来や物事などがひっきりなしに絶え間なく続くことのたとえ。櫛の歯は次々とひくようにしてけずり作るところからいう。
※太平記(「国々の早馬、鎌倉へ打ち重て、急を告ぐる事櫛(クシ)の歯(ハ)を引が如し」(コトバンク)。
新型コロナウィルスも目下下り坂にある。各地の盛り場にも人が戻り「櫛の歯を挽くが如し」の様相を呈している。
「九尺二間に戸が一枚」 間口が九尺、奥行き二間、入り口の戸が一枚だけというような、きわめて狭く粗末な家のたとえ。
戦後間もない頃には、雨後の筍のように、焼け跡にバラックが林立し、どの家もトタンで囲っただけの「九尺二間に戸が一枚」寝るのがやっと雨露を凌ぐ程度の大きさだった。次回に続く。
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