2023.1.27 諺集に見るわが人生(155)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「く」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「楠の木分限(ぶげん)梅の木分限」生長は遅いが、着実に根を張り大木となる楠の木のように堅実な金持ちと、生長が早い梅の木のようなにわか成金のたとえ。「分限」は、「ぶんげん」とも読み、金持ちのこと。
このことわざが「楠の木」のような文言を優位に感じさせようとしているのなら、今の時代を反映していない。現代のIT時代では一夜にて巨万の富をつかむ者が続出しており、それは悪いことではない。MLBの大谷選手などは20代で100億円を超える契約を勝ち取っている。ようは才能と技量のあれば分限者になれる世になっているということだ。
「薬九層倍(くすりくそうばい)」暴利をむさぼるたとえ。薬の売値は原価よりはるかに高く、儲もうけが大きいこと。薬は売値が非常に高く、原価の九倍もするという意から。
(類義)「薬」の「く」と「九層倍」の「く」を掛けた語呂合わせ。同じ形で「ご」を合わせた「呉服五層倍」、「百」を合わせた「百姓百層倍」などがある。
余りにも有名なことわざで誰もがそう思っているようだが、リスクの大きな製品づくりだから、それほど暴利をむさぼっているとは言い切れない。
「薬にしたくも無い」望んでもそれらしい要素は少しも認められないこと。少量を服用する薬がその少量でさえない。ということから「ほとんどない、まったくない」というときに使う。
(使用例)あの人にはいたわりの心など「薬(くすり)にしたくもない」
モノが全くない「コロナ騒動でコンビニの特定の商品が棚から全く消えてしまった」時など。気持ちや行為などで「相手の言うことなどは全く無視する」ことが当てはまるだろう。
今ではほとんど使われなくなった。それは薬が余りに手に入り易くなり、医者も儲かるから処方箋を書く。薬局も運命共同体だから一緒に儲かる。「風が吹けば桶屋が儲かる」式システムができ上っている。とはいっても市販の風邪薬は底をついたようで、『女性自身』の記事によれば「日本では処方薬の約8割を後発薬(ジェネリック)が占めており、それらの欠品の余波が大きな混乱を生じさせているということだ」とある。 次回に続く。
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