2023.2.11 諺集に見るわが人生(159)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「く」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「国破れて山河在り」戦乱で国は荒廃してしまったが、山や川の自然は昔のままの姿で存在しているということ。
(出典)中国の詩人、杜甫が詠んだ漢詩「春望」の原文
国 破 山 河 在(国破れて山河在り)
城 春 草 木 深(城春にして草木深し)
感 時 花 濺 涙(時に感じては花にも涙を濺ぎ)
恨 別 鳥 驚 心(別れを恨んでは鳥にも心を驚かす)
もし、将来米国と中国が台湾を巡り軍事衝突に至れば、それは第3次世界大戦へと突入することになる。そして、遂に核兵器が使用されれば、広島や長崎以上の荒廃を生み、そこには山河も失われる。不毛の戦となるだろう。
「苦杯を嘗(な)める」つらく苦しい経験をすることのたとえ。「苦杯」は、にがい酒を入れた杯。 皿嘗めた猫が科を負う (さらなめたねこがとがをおう) 悪事をはたらいた主犯が罪を逃れ、悪事に少しだけ関係した小者が罰せられるたとえ。
俗に「トカゲのしっぽ切り」巨悪の源には到達できない仕組みになっている。最近政治がらみで大物も表に出るが、うやむやの内に不起訴になってしまうというオチでけりがつく。
「九は病、五七は雨に四つ旱(ひでり、六つ八つならば風と知るべし」地震が起きた時刻によって、それが何の前触れであるか占えるという俗説を詠んだ歌。地震が九つ(午前・午後の12時ころ)に起きたら病気が流行り、五つ(同8時ごろ)と七つ(同4時ごろ)なら雨、四つ(同10時ごろ)なら日照り続き、六つ(同6時ごろ)と八つ(同2時ごろ)なら強風が吹く前触れであるという。 昔の十二刻では四つ時から九つ時を数えるもので一つから三つはないのでどの時間に地震があっても用心しなければいけないと戒めたもの。
語呂がいいので取り上げてみた。地震に対する江戸時代の人たちの知恵がそこに伺える。 次回に続く。
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