2023.5.8 諺集に見るわが人生(181)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「け」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「喧嘩過ぎての棒乳切り(けんかすぎてのぼうちぎり)」喧嘩が終わってから棒切れを持ち出すこと。時機に遅れて効果のないことのたとえ。争い果ててのちぎり木。「棒乳切り」とは両端を太く中央をやや細くした棒で立てると乳のあたりの高さになるもの。物を担ったり振ったりするためのもの。
(例文)助っ人がくるようだが、喧嘩過ぎての棒乳切りで今更来られても困る。
私は棒乳切りなるものは見たことはないが、江戸時代には物を担ぐのに使われていたようで、喧嘩をするのには適当な武器になったのだろう。現代なら野球のバットがそれに似ている。
素手の喧嘩なら大したこともなく終わる。後で棒乳切りがあったらと後悔する方が怪我ががなくてよい。
「懸河の弁(けんがのべん)」水を上から流すように、とどこおりなく弁舌を振るうこと。
[由来] 「世説新語―賞誉」に記された「但懸河妙辯、舌端短乏、北海湛智、心府匱窶」から。三~四世紀、中国の西(せい)晋(しん)王朝の時代。郭(かく)象(しょう)という学者は、頭の回転が速く、弁舌にすぐれていた。ある人はよく、「郭象が語るのを聞いていると、『懸河の水を瀉そそぐがごとし(空からつり下げたような急な川を、水が流れていくようだ)』で、流れが途切れることがない」と言っていた、ということからきている。
政治家のスピーチや噺家の芸に立て板に水のように喋るのを見ることがある。
「喧喧囂囂(けんけんごうごう)」多くの人が各々好き勝手に喋って、やかましく騒がしいという意味。「喧」も「囂」も 人々が口々に しゃべって やかまし い様、自分の考えを遠慮なく言うという意の「侃侃諤諤かんかんがくがく」と混同しやすいので注意。よく使われる四字熟語だが、書けと言われると「ごうごう」の字は難しくて書けない。26画もあるのがその原因だ。 次回に続く。
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