2023.6.17 諺集に見るわが人生(193)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「こ」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「好事門を出でず悪事千里を走る」よい評判はなかなか世間に伝わらないが、悪いことは隠そうとしても、まるで千里を走るようにあっという間に遠くまで知れ渡る。
(由来)宋の孫光憲の『北夢瑣言』に「好事門を出でず、悪事千里を行く」とある。
(類義語)好事門を出でず悪事千里を走る/好事門を出でず悪事千里に伝わる/好事門を出でず/悪事千里を行く/悪事千里を走る/悪事千里/悪い噂は早く伝わる/悪い知らせは翼を持つ/人の口に戸は立てられぬ/隠すこと千里
つい最近のニュースに、人気上昇中の俳優が大麻不法所持の罪で捕まった。私ははこの俳優の存在は知らなかったが、メディアはいち早くこの事件を報じ、俳優は世の耳目を集めることになった。軽い罪のようにも見えるが、有名人にはその後の人生変えてしまう大事になる。
「項斯(こうし)を説く」先輩が後輩を引き立て、その人柄や才能を人々に吹聴すること。「項斯(こうし)」唐の時代の詩人の名前。
(故事)詩人の楊敬之(ようけいし)が、当時無名であった項斯の詩を見て感心し、実際に会ってからは、彼の人格に一層敬服した。以来楊敬之は項斯をたたえる詩を作り、至る所で項斯のことを人に吹聴したので、項斯の名は長安の宮中にまで知れ渡ったという。
(使用例)彼が項斯を説いていたようで、入社後「彼からよく聞いているよ。優秀なんだってね」といわれることが多かった。前評判以上だねといわれるように頑張るよ。いい上司や先輩に恵まれると売り込みをしてくれて順調に階段を上がっていくことができる。逆に悪い上司に会うと足を引っ張られることもある。
「後塵を拝する(こうじんをはいする)」「後塵」とは、人や車馬が通り過ぎた後に立つ土埃のこと。車馬が通り過ぎた後に土埃を浴びて見送る意味から、人に先を越されて遅れをとることをいう。
また、すぐれた権力者に追従すること、人にこびへつらうことのたとえとしてもいう。
社会はピラミッド型の構造をしている。大方の人が後塵を拝することになる。 次回に続く。
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