2023.6.24 諺集に見るわが人生(195)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「こ」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「巧遅は拙速に如かず(こうちはせっそくにしかず)」上手だが遅いよりも、下手でも速いほうがよいということ。
▷「巧遅」とは、出来はよいが仕上がりまでが遅いという意味。
▷「拙速」とは、出来はよくないが仕事が早いという意味。
場合によっては、ぐずぐずしているより、上手でなくとも迅速に物事を進めるべきだということ。
(由来)兵法家の孫子が、戦争は戦術がよくないものであったとしても、迅速に行動し早く終結させるのがよいと説いた言葉による。
(例文)超絶技巧を凝らした彼の作品を見ると、「巧遅は拙速に如かず」という言葉はかすんでしまう。
私の仕事も時間に追われてしまうと、つい拙速になってしまう。
「荒唐無稽(こうとうむけい)」言うことや考えがでたらめで、まったく根拠がないこと。具体的な証拠や確証がないのに、大げさに話している様子を表している。良い意味か悪い意味かで言うなら、あまり良くない意味として用いられる。
(由来)中国古典の「荒唐之言」と「無稽之言」に由来し、「荒唐之言」は『荘子』、「無稽之言」は『書経』に見られる。
ただし、「荒唐」と「無稽」が一緒に使われた例は見られないことから、「荒唐無稽」は日本で作られた四字熟語と思われる。
(例文)それは傍からみると荒唐無稽のようだが、実際のところ裏には綿密な計画があって成り立っていた。
「功成り名を遂げて身退くは天の道なり」りっぱな仕事を成し遂げて名声を得たら、その地位にとどまらず退くのが、自然の摂理にかなった身の処し方であるということ。
(由来)「老子―九」の一節。「金銀や宝石を家にいっぱいため込んでも、守り抜くことはできない。地位と財産を得て思い上がると、災難を引き起こす」と述べたあと、「功成り名遂げて身退くは、天の道なり(功績を挙げて名声を得たら、その地位を退くのが、自然の理にかなったやり方である)」と続けている。
(例文)功成り名遂げて身退くは天の道なりというように、上り詰めたと思ったら、退く準備を始めるべきだ。 次回に続く。
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