日常細事2022pre


kiji


2023.6.8 諺集に見るわが人生(190)

 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「か行」の「こ」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。

「後顧の憂い(こうこのうれい)」あとに残った心配事」や「未来への心配事」を意味する言葉。「後顧の憂い」は、「後ろを振り向く」という意味から分かるように、元々は「旅立つ時に残された家族を不安に思う気持ち」を表現した慣用句。
(由来)『後顧之憂』は、昔の逸話を元にしてできた言葉で、中国の故事である魏書「李沖伝」には「我をして、境を出し、後顧の憂い無からしむ」という一文が記されている。
これは、現代訳にすると「李沖は私が国の外に出るときに、後の心配がないようにしてくれた」となる。
この一文から「自分がいなくなった後の心配・気遣い」という意味で「後顧之憂い」という言葉が使用されるようになったという。
最近では、伝統工芸などの修行に十年もかかる仕事は後継者不足が問題になっており「後顧の憂い」を残すところとなっている。

「高山流水(こうざんりゅうすい)」優れた音楽、巧みな演奏のこと。また、自分をよく理解してくれる友人のたとえ。高い山と流れる水の意から。清らかな自然の意にも用いられる。
(故事)中国春秋時代、琴の名手伯牙(はくが)が、高い山を思い浮かべて琴を弾くと、友人の鍾子期(しょうしき)は「素晴らしい、まるであの高い泰山が目の前にあるようだ」と評し、川の流れを思い浮かべながら弾くと「まるで長江や黄河の滔々(とうとう)とした流れが目前にあるようだ」と評した。鍾子期が死ぬと、伯牙は琴を打ち割って、生涯琴を弾かなかったという。この故事から「断琴の交わり」「知音」「伯牙、琴を破る」などの成語が生まれた。
(類義語)「花鳥風月」「管鮑之交(かんぽうのまじわり)」「金蘭之契(きんらんのけい)」「繁絃急管(はんげんきゅうかん)」などが挙げられる。
ここ数十年間毎年4回程定期的に宿泊して親交を深める仲間がたちがいる。こうした関係を「高山流水」とか「金蘭之契」という美しい四字熟語で表現することができることだろう。 次回に続く。








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