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kiji


2024.10.6 諺集に見るわが人生(306)

 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「さ行」の「す」を、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。

 「する(人)は一時名は一代」つらい嫌な事でも一時我慢してやれば済むことであり、するべき事をしないでいれば、不名誉は後々まで残るの意で、するべきことは、苦痛であってもしなければいけないという教え。
(由来)物事をする苦しさは一時的だが、するべきことをしなかったために生じた不名誉は末代まで残るということから。
(例文)するは一時名は末代というし、成し遂げた後の喜びは何ものにも代えがたい。

 「寸陰を惜しむ」ほんのわずかな時間でも大切にすること。時間を無駄にしないこと。
(由来)『晋書』中国古代夏の禹王は聖人であるのに、ごくわずかな時間を惜しんで努力した、まして平凡な一般の人民は、なおさら寸暇を惜しんで精進しなければならない。
(類義)一寸の光陰軽んずべからず
(例文)人間の一生は短いので、寸陰を惜しんで物事に取り組んだ方が良い。

 「寸鉄人を殺す」小さな刃物で人を殺すという意味から転じて、警句のような短くて鋭いことばで人の急所を突くことのたとえ。
(由来)『鶴林玉露―地集一』には、一二世紀の中国、南宋王朝の時代の思想家、朱熹が孔子の弟子たち(子貢、曾子)を評した言葉がこのように記述されている。
「博識で弁の立つ子貢は兵器を積んだ車のようだが、堅実な曾子は、寸鉄、人を殺す者なり、この文では曾子のことを、短いが核心を突くような言葉で人を説得することができる者と評している。
(例文)彼は口数こそ少ないが、いざ口を開くと寸鉄人を刺すようなインパクトのある発言をする。

 「寸を進まずして尺を退く」少し前に進み、進んだよりも多く退くこと。 または、利益よりも損害のほうが多いことのたとえ。寸も尺も長さの単位で、一寸は約3センチ。一尺は約3 0センチをさす。尺は寸の十倍にあたる。
(出典)韓愈「上兵部李侍郎書」兵を用うるもの言える有り、吾敢(われあえ)て主と為らずして客(かく)と為る。敢て寸を進まずして尺を退く」とある。
(例文)寸を進まずして尺を退くというから、自分からはチャレンジしない。 次回に続く。



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