2024.11.11 諺集に見るわが人生(314)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「さ行」の「せ」を、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「雪中の松柏(せっちゅうのしょうはく)」志や節操、主義を決して曲げないことのたとえ。
植物の松や柏の葉の色は、雪が降っても緑色のまま変わらないということから。「柏」はブナ科の落葉樹で、「かしわ」ではなく、檜(ひのき)や椹(さわら)、側柏(このてがしわ)などの常緑樹を総して称する言葉。
(由来)「謝紡得(しゃぼうとく)」の「初めて建寧(けんねい)に到りて賦するの詩」雪中松柏愈青青 雪中の松柏は愈(いよいよ)青青この志 ますます燃えなん
(使用例)時代が変わっても、雪中松柏、職人がやることには変わりがない。
「節を折る」自分の主義や主張を変えて、人の意見・考えに疑うこと。
元々「節」は「ふし」とも読み、竹の継ぎ目を表す。竹の節目はとても硬く、少々のことでは曲がったり折れたりすることがない。その強固な状態を人間の意思や強い気持ちに例えて「節を屈する」という言葉ができている。
(由来)秦策の「戦国策」にある。
(例文)権力に負けて節を折るのは格好悪いなあ。
「銭無き男は帆の無き舟の如し」お金がない男性は、帆のない船のように自分で方向を決めることができないという意味。 帆がない船は風に流されてしまうように、お金がないと、人は自分の意思で物事を決めるのが難しくなるということを表している。
総じて、この表現は、金銭が人の生活や選択に大きな影響を及ぼすという社会的な現実を反映しており、その影響力について考えさせる言葉である。
(例文)自由がほしいなら金持ちになるしかない。銭無き男は帆の無き舟の如しだ。
(類義)中国のことわざでは、「銭ある時は鬼をも使う」
あの怖い鬼でさえ、金の力にはかなわないという意味。
次回に続く。
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