2024.7.11 諺集に見るわが人生(286)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「さ行」の「しから始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「章甫を資して越に適く(しゅうほをししてえつにゆく)」場所や状況に合わない行動や判断をすることを表している。具体的には、価値のあるもの(章甫の冠)を持って、それが全く必要とされない場所(越の国)へ行くことから来ている。
(補説)「宋人(そうひと)章甫を資して越に適く。越人(えつじん)は断髪(だんぱつ)文身(ぶんしん)にして之を用うる所なし(越の人はみな頭髪を短くしており、身体には入墨をし、原始的な風俗であって冠などまったく必要なかった。)」とある。
裸族と交われば衣装などまったく無用であると同じか。
「小利は大利の残(そこ)い」短期的で小さな利益が長期的で大きな利益を得ることを妨げるということ。これは、目先の利益にとらわれて大切な大きなチャンスを見失うことの愚かしさを表している。もっと大きな利益をもたらす長期的な計画や投資を見落としてしまうような状況がこれにあたる。
(由来)「論語」速やかなるを欲するなかれ。小利を見るなかれ。速やかならんと欲すれば、則ち達せず。小利を見れば、則ち大事成らず。
(例文)目先の利益に飛びつきたくなるのが人間の性だが、小利は大利の残いだ。
最近のネット詐欺は、人の目先を欺いて大金を稼いでいる例がみらっれる。
「蕉鹿の夢(しょうろく)のゆめ)」成功や失敗が夢のようにはかなく、一時的なものであるということ。つまり、「成功も失敗も、夢のようにはかないもんだ」ということ。
(出典)「列子」昔、鄭の国の人が捕らえた鹿を堀に隠し芭蕉の葉で覆った。そのうち隠した場所を忘れ、あれは夢だったとあきらめたという故事から。
(例文)人生の成否は蕉鹿の夢ではかないものだから、執着してもしょうがないとあきらめる。
次回に続く。
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