日常細事2022pre


kiji


2024.8.12 諺集に見るわが人生(293)

 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「さ行」の「しから始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。

 「唇歯輔車(しんしほしゃ)」一方がだめになると、他方もだめになってしまうような、お互いが助け合うことによって成り立つ関係のたとえ。もちつもたれつの関係をいう。▽「唇歯」はくちびると歯。「輔車」は頬骨ほおぼねと下あごの骨のことで、一説に車の添え木と車ともいい、他にも説がある。くちびると歯や頬骨と下あごの骨は、切っても切れない密接な関係にあることから。
(故事)中国春秋時代、晋が虢(かく)を攻めようとして虞(ぐ)を通ろうとした。宮之奇(きゅうしき)が「虢は虞の日陰をはかる日時計の立木のようなもの。虢が亡びれば(影に当る)この虞は
消えてしまいます。晋の野心に道を開き兵を甘く見てはいけません。諺に"輔車は相依り、唇亡ぶ歯寒し"というのは虞と虢の関係を言ったものです」と虞公を諫めたが聴き入れず、晋を通してしまい、晋は虢を滅ぼし、ついでに虞も急襲して滅ぼしてしまった。
(例文)この町の名の由来になっているように、あの企業とは輔車唇歯の関係なんです。
 難しい諺であまり使われないが、企業の連鎖倒産など、使える表現である。

 「神出鬼没(しんしゅっきぼつ)」自由自在に現れたり隠れたりする様子を表す四字熟語。では、どうして神様や鬼が関係してくるのか、次に言葉の語源について、深く掘り下げてみよう。
(語源)昔から、神様や鬼神(きしん)とは、人間を超越した存在で、その所在は不確かなものと言われている。人間の生息する次元にはとどまらず、何の前触れもなく突然現れたり消えたりするものとして人々から認識されていた。
 古くは中国の『淮南子(えなんじ)』が出典とされている。『淮南子』は、前漢の武帝時代、淮南子劉安によって編纂された思想書の事。その中の、戦いの策略について述べられた、巻十五 『兵略訓』の中に 「神出鬼行 (=神出鬼没)」という言葉が登場している。
(例文)「現れたと思ったら、あっという間に帰っていったね。彼っていつも神出鬼没だよね」 次回に続く。


この記事に関するご感想などを下記メールでお寄せください。comfree@papars.net
2013年の記事を閲覧するには日常細事のアイコンをクリックしてください。
©2013 papa's_pocket. All rights reserved.