日常細事2022pre


kiji


2024.9.4 諺集に見るわが人生(299)

 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「さ行」の「す」を、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。

 「水泡に帰す(すいほうにきす)」努力したことが無駄になること。これまで積み上げてきた努力や苦労が一瞬にして無駄になってしまうことを言い表す。
「水泡に帰する」ともいう。
(語源)「水泡」とは「水の上に浮かぶ泡」のことです。
「水泡」は大きく膨らみますが、ちょっとした刺激などであっという間に消えてしう。この水泡の様子から、はかないことの喩えとして使用されている。
「帰す」は「戻る」「終わる」という意味の文語。
「水泡」と「帰す」という言葉を組み合わせて「努力をしてきたものがあっけなく無駄になってしまうこと」を言い表す慣用句として使用されている。
(類語)・徒労に終わる・骨折り損のくたびれ儲け・画餅に帰す・元の木阿弥・棒に振る・灰燼(かいじん)と化す
(例文)ほんとうの名前を知られては、すべての計画が水泡に帰してしまう。

 「酸いも甘いも噛み分ける」人生経験を積み、人情・世事によく通じていること。主に、人生経験が豊富で世の中のことをよく知っている人を例えるような際に用いられる。 
このような人物を「酸いも甘いも噛み分ける人だ」などのように言う事ができる。つまり、様々な経験により物事の良し悪しを知っている人のことを「酸いも甘いも噛み分ける」と表現する。
(語源)「酸い」「甘い」「嚙み分ける」の三つに分けてみる。
 まず、「酸い」は「酸っぱい物・悪いこと」を意味する。「酸」が付く熟語としては「酸味」(酸っぱい味)や「辛酸」(辛い目・苦しい思い)などがある。
 そして、「甘い」は「甘い物・良いこと」を意味する。「甘」が含まれる言葉は、「甘味」(甘い味・面白み)や「甘い汁を吸う」(苦労せずに利益だけ得る)などが代表的。
 最後の、「嚙み分ける」は、「違いを区別して味わうこと」を意味する。ここで言う違いとは「酸い」と「甘い」の違いなので、つらくて苦しい人生経験を「酸い」、楽しくて心地よい人生経験を「甘い」に例えている。
(類語)・酸いも甘いも知り抜く・酸いも甘いも知っている
(例文)彼は酸いも甘いも嚙み分けているから、心配する必要はないだろう。 次回に続く。



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