2013.10.14秋深し
「秋を愛する人は心深き人」という歌詞がある。
心が強いとか、弱いとか、心に関する表現は多様である。では、心が深いとはどういう人のことを言っているのだろうか。
どうも、そんな言葉じりを捉えるのが、私の癖と言うか。習性みたいになってきた。日常細事を書き始めてから、細かいことにも注意を傾けないと、3日に1回、予定では700回のコラムは、いくら細事とはいえ書き切れない。700回の目安は次の東京オリンピックをゴール地点と想定してのことだが。
「心が深い人」とは表現としてはありそうだが、「あの人は熱いね」とは言うが、「あのひとは深いね」とはあまり聞かない。
そこで早速インターネットで検索を掛けてみた。大体がこの歌の歌詞がヒットし、期待したような答えは得られなかった。一部心理学用語で「深層心理」に関して、心が深いところで傷つくトラウマと言うような、見当違いな答えが返ってくる始末だ。
手詰まりとなり、「深い」を日本語大辞典で調べると「表面から底までが遠いところ」とある。(英語でdeep)
そこで、思いついたのが、思慮の深い人のことを言っているのだと想定してみた。すると、「考えの浅い人」の反対語として「考えの深い人」という答えを引き出すことができた。
心が熱いとか冷たいとかという表現は、温度を測るようで分かり易いが、浅い深いは深度を測るので分かり難い。どうやら目安がついたので、改めて「心深き人」について考えると、「物想う秋」に結びつけると「深度」で測る心の状態を言っているようだ。
秋という季節は、風情のある表現を生み出してくれるものだ。詩人や作家が好む季節であることが分かるような気がする。