kiji

2013.11.10庭木(生垣

 最近散歩していて目に入るのが、橙(ダイダイまたはポンカンか)、柿などの実が色付いて、黄色や赤く鮮明に庭を彩っていることである。
 あまり他人の庭先などに関心を抱かなかったが、それを見て、日本人の庭に対するきめ細かな心配りを見直した。
 我が家は小さなマンションと言われる共同住宅だ。従って、庭を持つということは出来ない。
 庭を持つということは、所有する土地の広さによって様々変わってくる。大きい屋敷から40坪程度の一戸建まで、それ相応の広さに比例している。今回は比較的広い庭を持つ家で、道路に面する部分を生垣で囲っている家(邸宅)に注目してみた。
 昔は(半世紀ほど前)生垣というと、柾(マサキ)や槇(マキ)そして皐月(サツキ)といったものが多かったと覚えている。しかし、今は実に多様な樹木が妍(けん)を競っている。最近はヒノキ科のヒバの類の密度の高い葉を持つ常緑の樹木をきれいに剪定して生垣にしたものも見かけられ、それは壮観である。
 元々マサキなどは素人でも手入れがし易く、頭が出るくらいの高さで整えて、歩く人の邪魔にならないようにできるし、花も実も生るので四季を楽しめる。子供の頃マサキの若葉をクルリと巻いて草笛にして楽しんだことが頭によみがえる。
 2m近くになるヒバのような樹木は素人では手におえない。植木屋さんが入り、手間、暇欠けて剪定するのだろう。そうした見事な生垣を眺めながら歩くのも目の保養になる。色々趣向を凝らしてくれることは借景しかできないわが身としては嬉しいことだ。