2013.11.25庭木(植木)
日本人が狭い庭であっても植木するのは、独自の文化であるようだ、このような庭の有り様は諸外国には見られないということだ。中国辺りでは、庭になるようなスペースはまとめて畑にするというのが風習だそうだ。つまり、個人所有の庭など無駄ということらしい。アメリカ人の家も同様に、空きスペースは芝生にし、バーベキュー大会などの集まりに使うのは、私などの浜っ子には見慣れた光景だった。最近では日本式庭園を造るアメリカ人の金持が増えているのは、日本での生活を見直しての変化かも知れない。
それに対して、日本人の庭に対する愛着というか思いは、その手入れ一つ見てても伝わってくる。最近の三階建て建売住宅に庭のスペースがないのは、少し寂しい。(スペースがないから3階建てにしているのだから仕方がないが)
それでは少し人様のお庭を拝見することにしよう。大体定番の樹木は、梅、柿、柚、橙そしてかつて春日八郎という演歌の大御所が歌った「お富さん」に出てくる見越しの松(黒松・五葉松)である。松は大概玄関脇に植えられ最も手が掛かる。梅も手入れをしないとドンドン枝を伸ばして針先のような枝の先端で、人に怪我をさせることもある。花を咲かす庭木はアジサイ、ジンチョウゲ、キク、バラなど盛り沢山である。裏にはアオキ、ミュウガ、オモト(万年青)などが植えられるている。
樹木の実は食され、葉は薬草となり、生活の中で愛でるだけでなく、実用としての役割もちゃんと果たしている。
こうした古来より日本人が伝えてきた、生活の中で生かされる知恵は、末永く続いてほしい。