kiji

2013.11.28散髪(mono)

 私はもう40数年床屋に行ったことがない。だからと言って髪も髭も伸び放題、仙人のような姿を想像されては困る。見た目は普通の人と変わらないはずだ。
 しかし、時々後ろ髪が虎刈りになる。これには、多少事情がある。
 冒頭で40数年前と言ったのは、私が世帯を持った時を示す。
 その時から、頭はママさんならぬカミサンバーバー(ババーではない)が散髪セットを購入して、カッターとハサミで調髪してくれていた。
 1998年に松下電器が「自分でカット」という製品を売り出した。長い間カミサンの手を煩わすのも、気が引けるところもあり、自分ひとりで調髪しようと決めて、この製品を購入した。
 どこまで自分だけでできるか手探りの状態から始まった。当然ながら、暗中模索といったところから、思うようにはカット出来ず、仕上げはカミサンの手助けが必要であった。
 1年も続けると、学習効果が出てきて、助け無しで調髪出来るようになった。
 風呂に入る前に鏡に向かい、前髮からはじめる、これはどうにかクリア出来たが、後髪は勘頼りのカットなので、実は仕上がりは見たことが無い。電動バリカンのようなものだから、下手に立てると切りすぎて虎刈りになってしまう。掠めるように、梳くうように、手早く仕上げるのがコツと分かったのは、4、5年の経験で体得した。
 驚くことに、この製品(日本製)ー実に丈夫にできており、たまに電池交換するだけで、全く故障知らずで切れ味も衰えない優れものである。
 水洗いできないので、一度浮気をして、その手の類似商品を使って見たが、1、2度使って、全く感触が違い使いにくく、今はどこにあるかも分からない。
 それ以降はこの愛機一筋、月2回ほどの調髪を続けている。
 電気小物は手に馴染むと中々手放せない。モーターが駄目になるまで働き続けてくれることだろう。
 手放せないmonoは、良い仕事してくれる仲間のような存在だ。