kiji

2013.11.4アメリカンコーヒー(前編)
 最初に断っておくが、私はコーヒー通ではない。しかし、コーヒーなしには朝は訪れない。 寝起きの一杯が私を覚醒させる。コーヒー通は豆の種類に拘る。モカ、マンデリン、キリマンジェロ、究極はブルーマウンテンといった風に、品種でああだこうだと論ずる。
 私はそういうことには無関心である。第一ブラックなど苦くて飲めた代物ではないと思っている。おまけにアメリカンコーヒーにですら、砂糖もミルク(クリープ)も必ず入れる。コーヒー通が見たら顔をしかめるに違いない。
 一般的にアメリカンコーヒーは普通のコーヒーを薄めたお湯割りと思われがちである。実際ドトールやMACやCafe de clieなどのアメリカンコーヒーはその手の薄めたコーヒーである。
 本場のアメリカでは、アメリカンコーヒーなどというメニューはない。日本で勝手に付けた名前である。アメリカでは、かつてボストン茶会事件という歴史的事件があり、一次紅茶が市場から姿を消した。その代替品として紅茶に似た薄い色のコーヒーを飲むようになった。これはコーヒー豆を粗挽きにし苦味を取り、砂糖なしでもお茶代わりにガブガブ飲めるようにしたというのが事の始まりだそうだ。
 私がアメリカンコーヒーを好むのは、「甘いもの大好き」にも結びつきがあるが、次のコラムで述べることにする。