2013.12.22日氏神様(後編)
白幡神社が祭礼を催すのは、夏祭りと正月の2回である。その時には宮司が派遣されてくる。運営の中心はボランティアの手で全て取り仕切られる。それが高齢化が進み、リタイヤしたり、動けなくなったりで、手に余る仕事になってきているのは確かだ。
そこで神社側の要求とそれに十分応えきれないボランティアとの間でちょっとした齟齬が生まれたらしい。神社側ではもう人は送らないという話で進んでいるようだ。おそらく何百年も続いた年中行事に終止符が打たれることになるだろう。
まさに、天照大御神が岩戸の陰に身を隠す事態が生じたわけである。
一方で盛り上がる神様、他方で見捨てられようとしている神様。近くには他の神様がおられるから、そこに詣でればいいではないかという人もいるかもしれない。事実、鶴ヶ岡八幡宮や寒川神社に初詣する住民の方が多いかもしれない。
そういう人もいるかもしれないが、毎年ここにお詣りする人たちには、なにか釈然としないものが残る。
神様が消えてしまった町はどうなってしまうのだろう。神様の怒りに触れなければいいと、無信心の私でも気にかかる話ではある。