2014.10.11 読む
先に 取り上げた 「秋の夜長の過ごし方」でも少し触れたが、今回は「読む」ということを中心に考えてみたい。
独断ではあるが「読む」という内容には、大別して2つあると思う。ひとつは現在時点の動向を中心とした情報を提供する新聞や雑誌である。この媒体には他にもテレビやインターネット等の視聴覚に訴えるものもあり、動的である。これに対しもうひとつは古いメディアに属するもので、書籍や辞典(事典)など積み上げられた知識や情報のから生まれたもので、静的である。
私が秋の夜長を過ごす友となるのは、静的メディア、つまり古い情報の集積である古書や辞典(事典)類であり、これらは一気に読み下すことできる代物ではない。日本三大随筆や禅の思想本等に挑戦しているのだが、第一に現代語ではないので、古語辞典や歴史事典、専門用語事典などを脇に重ねて参考にしなければ意味を理解できない。
第二にそうそう根気は続くものでもなく、あまりストーリー性もないので、大概途中で眠気を催す。そこが夜長を過ごすところのミソの部分で、分厚い辞書を枕に一休み。これが良き睡眠の導入にもつながる。
次に再度読もうとすると、うっかり栞(しおり)やスピン(しおり紐)を忘れてしまうと、大幅に戻って読むことになる。それでも気がつかない。まるではじめて読むページのようで新鮮だ。裏返せば、中身が理解されていないということにもなるのだが。
一冊の古典を読むので、今年の秋は終わってしまうことだろう。
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