2014.6.7 旅の宿
昔の職場に一緒に入った、いわば同期生と定期的に会合を持っている。もう一線を離れて30年近くが経とうという仲間たちである。メンバーも10人近くから、6人ほどに減っている。それだけに逢う瀬を大事にしている。
一泊二日の集まりである。旅と言っても温泉場を巡るような大層なものではなく、安近短の宿で顔を合わせて元気でいることを確認できれば、それで十分な旅だ。
宿は公務員の共済組合が運営するものに、殆ど決めれている。バブル崩壊後はその数が急激に減り、今では県内では数軒しか残っていない。大体会うメンバーは、麻雀を楽しむのが狙いだから、宿が限られてしまう。
現在会合に使っている宿は、交通の便がよく、麻雀卓が用意されている。
温泉付きとなると箱根湯本か湯河原まで足を伸ばさなければならない。その上料金が同じ共済の宿でも3割方高くなる。
今馴染みの宿は、共済の施設で設備も風呂も老朽化しているが、元は誰かのお屋敷を旅館に改装したものらしく、平屋で一部二階を建て増した造りになっている。庭が広々として、庭園とも言えるものが魅力である。サービスは悪くない。いつも翌日昼食を摂って解散するのだが、ゆっくりできるのが一番である。キャンセルも一週間ぐらいまで融通がきくのもいいところだ。年寄りは何時なん時調子を崩すか知れないので、予定が変わるのも考慮に入れておく必要がある。
こんな不安定な状況で会合を続けているのには訳がある。皆老齢で先が見えないから、生きているうちはお互い元気を確かめ合おうというのが、最大の理由だと思う。人は歳を取るほどに人恋しくなるものである。
いつまで続くか、それが分からない故、動ける間は集まる。旅の宿は、そういう人たちの癒しの場である。
長雨に 客もチラホラ 旅の宿 風楽
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