2014.7.27 緑萌え立つ
「春は、曙。夏は、夜」という出だしは、枕草子。私は夏も曙のほうがよろしい。日本の夏は現在ヒートアイランド現象で熱帯化している。
夜明け前太陽が顔を覗かせる直前ごろが特に良い。その時刻に散歩に出かけると、周りの景色が新鮮な緑に塗り替えられている。
しっとりと露を含んだ新緑の葉の茂る道を歩くと、身も心もリフレッシュされる。歩く通りは、あまり車が通らない路地が良い。今咲く花は、夏に咲く花で、緑の中に埋もれて目立たない。梅雨のあいだ中咲き続けた紫陽花も、色を失い形だけが残り、存在を主張している。まさに七変幻の名に恥じないあり様を、そこに見た。
緑が萌え立つように目に映るのは、背の高い木々が、新しい葉を繁らせているせいもある。欅が息を吹返すように、落葉樹が一斉に葉を身にまとう姿は、清々しい。
そうして、自然の営みは、日に日に姿を変え、道行く人の目を楽しませてくれる。
夏の暑さは、日が昇り始めると同時に強さを増し、水を含んだ空気は、湿り気を帯び、身にまとわり付くようになっていく。そうなる前に、家に戻って朝の散歩を楽しむのが、季節に相応しい。
矢張り、夏も曙、日の出前後が良い。
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