2014.8.11 ロビーコンサート
生の音楽が聴けるロビーコンサートなるものを鑑賞してきた。このコンサートは、知人のイタリア歌曲の独唱会で、練習の成果を問う場でもあった。
川崎市の文化事業の一環として、市内の文化人に対してロビーを解放し、広報活動まで手伝って行われる定期的コンサートのひとつだ。
私の記憶では、クラッシックの歌曲を生で聴くのは、実は初めて。兄の影響で小学生の頃からオペラのアリアをよく聴いていた。兄の歌うのを真似て、風呂場で「帰れソレントへ」や、今回会場で聴いた「カタリカタリ」などを大声で歌ったものだ。
今にして思えば、伴奏なしのアカペラだから、さぞかし聞くに堪えない近所迷惑な騒音だったことだろう。本人は風呂場というのは音響効果がいいし、喉も湿っているので、ご喜楽そのものに酔いしれていたのだが。良き少年時代の思い出だ。
時は移ろい、セミプロ級の歌い手による「カタリカタリ」を聴くと、そのほとばしるようなヴォリュームに圧倒された。時空を超えて音楽の魅力を再認識した瞬間だった。
会場は市庁舎のロビーをコンサートに使っているので、専門のコンサートホールとは違う。音響効果などには配慮されていない空間で、コンサート用の雛壇を設けて、ロビーに椅子を並べただけの場所だ。
そこに100人余りの聴衆が集まった訳だから立見が出る始末で、「普段にはない活況だ」と常連の人の言葉。
コンサートの司会は、歌い手の師匠筋に当たる人物で、その道では知られた人とかで、曲紹介と語りが軽妙で、場に溶け込み聴衆を上手く引き付けていた。
途中退場者もないままに、フィナーレを迎え、聴衆と一緒に「故郷」を唱和するに至って、最大の盛り上がりを見せ、幕を閉じた。 爽やかな感動を与えるコンサートだった。
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