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乱秋


鳥の囀りに目覚め 虫の声を聞きつつ眠りに落ちる。こうした当たり前の変化の中で秋を感ずる。
いつもと違う。もう秋なのか。梅雨のような長雨が続く。抜けるような青空はどこに行ってしまったのだろうか。空には厚い雲が垂れ込め、時折ザッとくる。
空気はいつまでも湿気を含み、べったりと肌に纏わりつく。10月に入ろうというのに熱帯夜が終わらない。
今日も南の海には新しい台風が生まれた。18号も日本を目指すのだろうか。いつまでも海水温が高く、常ならぬ気候変動が続くという。これも地球温暖化のせいか。
いつもと違う秋。大雨で各地が大きな被害を受けた。農業被害も甚大で凶作の年になりそうだ。秋の味覚が手に届くのはいつになるのか。
スポーツの秋、行楽の秋。子ども等が楽しそうに走り回る姿を見ぬ間に、秋はどこかに行ってしまうのだろうか。
実感の無い秋ではあるが、自然の営みは休むことなく、散歩道の帰りには、金木犀の強い香りが漂い。足元には夕べに咲くという、夕化粧が小さな花を、赤、白、黃と艶やかに開いて魅せる。

 



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