山手散歩も大詰め。最後に訪れたのが「イタリア山庭園」。教会を出て、少し先の道を案内板に従って下ると、立派な庭園が見える。中には洋館や西洋風の庭が異国情緒を醸し出している。丁度初夏の花が開花期で、彩り鮮やかな光景が眼前に広がっていた。
ここの来歴を少し紹介すると、ここには1880年から1886年までイタリア領事館が置かれていたことから、イタリア山と呼ばれている。これは先に紹介したフランス山やアメリカ山と同様な立地した場所が由来になっている。ここの西洋館は1993年にブラフ18番館が1997年に外交官の家を移築したもので、ブラフ18番館は関東大震災後に山手45番地建てられた木造2階建て外国人住宅で、戦後はカトリック山手教会司祭館として使われてきた。1991年に横浜市が部材の寄付を受け、移築後公開した。
外交官の家は1910年(明治43年)に建築された塔屋付き木造2階建ての西洋館で、1997年に国の重要文化財に指定されている。明治政府の外交官内田定槌の邸宅としてアメリカ人建築家ジェームス・ガーデナーの設計により東京都渋谷区南平台に建てられた。1997年(平成9年)ここに移築され復元のうえ一般公開された。総面積は 13,286㎡(約4,000坪)と、かなり広い。
外交官の家の裏手に当たるところに噴水と水路があり、生垣で囲まれた花壇が ある。迷路のように幾何学的に仕切られた生垣の中には四季折々の花を見ることができ、来訪者を楽しませてくれる。この生垣で囲まれた庭はどこかで見たような記憶がある。確か箱根の彫刻の森美術館に生垣で囲った迷路の庭があったことを思い起こさせる造りである。ここは生垣は70センチぐらいの高さで上から見渡せるようになっている。
裏手の出口を出ると、坂道がある。ここを下ること約5分でJR石川町駅の裏口に出る。
このコースから逆回りで山手散歩するのも、道順としては面白い。
(ムービーでご覧ください)」