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2017.5.1 生活の知恵(その四)

 日本に古くからある言い伝えや諺(ことわざ)のなかには、私たちの暮らしや健康を守るための知恵がたくさん隠されている。 現代 の世のように、まだ医学が発達していない頃から言い伝えられている先人たちの知恵を今回はご紹介しよう。第2回目に紹介した「雪は豊年のしるし」などの類である。まず「いい暮らしナビ」から
◎食べてすぐに寝ると牛になる
 食後すぐに寝てしまうと緊張感がなくなり動く気力がなくなるため、牛のように怠け者になってしまう、という言い伝え。 もともとは子どものしつけのためにこう言われるようになったようだ。 しかし健康面のことを言うと「親が死んでも食休み」という言い伝えがあるように、食後すぐに動くよりは少し休んでから活動するのが体にいいからだろう。
◎番茶梅干し医者いらず だ
 梅干しと醤油を練ったものに番茶を注いで飲むと風邪によく効く。
 朝食時なら食欲がわくだけでなく、消化もよくなるそうだ。お茶のカテキンの殺菌効果は感染症の予防にも良い。
◎西の空が晴れていると明日は天気
 日本の気圧配置は基本的に西高東低であるため、天気を判断する際は西の空を見る。
◎つばめが低く飛んだら雨
 つばめの運ぶエサである虫の羽が湿気を含んで重くなるので、実際に低く飛ぶとことから。
◎三里四方の野菜を食べろ
 三里四方とは半径12キロメートルのこと。身近で採れた新鮮な野菜を食べましょうという意味で、ファストフードに頼りがちな現代に生きる私たちは、なおさら意識すると良い。 野菜は時間が経つと鮮度が下がるが、忙しい方はせめて地産地消の季節の野菜を取り入れることをこころがけてみてはいかが。
 次に『天草俚諺集』から 自然(気象)現象の変化についての俚諺を少し紹介する。
◎秋の夕日は釣瓶落し (落日:日没が早い)
◎東風焼けは雨の前ぶれ (雨前には東風焼けになる)
◎地震の時は竹薮に逃げろ (地割れの心配なし)
 など数え上げるとキリがない。このように昔からの言い伝えには、長い生活の中で学んだ生活の知恵が生きているものだ。

2017.5.4 生活の知恵(その五)
 人は生きていくためには食べなければならない。 そんな中で「これとあれは一緒に食べてはいけない」という、「食べ合わせ(食い合わせ)」のタブーがいつしか生まれた。それも人が長い食生活の中で学んだ知恵(伝承)の一つだろう。
 今回は全部は紹介しきれないが、いくつかの「科学的根拠のある相性の悪い食い合わせ」について例を上げてみた。
力二と柿
 蟹はビタミンB1・B2が多く、栄養の代謝を良くするといった一面を持つが、傷みやすいといった面も持っている。傷みやすい蟹と、消化の悪い柿の組み合わせ。蟹も柿も体を冷やすため、一緒に食べるとダブルパンチで身体を冷やす。冷え性の人は症状が重くなるので、注意が必要だ。また、この組み合わせは、山の幸と海の幸の組み合わせでもある。昔は両方を一緒に食べようとすると、食材を調達するまでに時間が要して、どちらかが傷んでしまうことがあったため、食中毒になったという戒めでもあるそうだ。
酒とからし
 酒と同様に辛子などの辛いものも血行を促すため、かゆみが出てしまう可能性がある。蕁麻疹(じんましん)や湿疹が出やすい人は、注意喚起。高血圧、糖尿病、高コレステロールなどの生活習慣病も助長するという。
ざるそばに豚肉
 ビタミンB1が豊富な豚肉は、体や脳の働きを活発にするが、体を冷やす作用も。冷たい蕎麦との食べ合わせは胃を冷やし、栄養素や有効成分の吸収を妨げるところから相性が悪いとされている。
ウナギと梅干し
 これは結構知れ渡っている食い合わせの悪い代表例だ。鰻の脂と梅干しの強い酸味が刺激し合い、消化不良を起こすという説が有力。実際には酸味が脂の消化を助けるため、味覚も含めて相性の良い食材である。ただし、胃腸が弱っているときは、脂分と酸味の強い食べ物を多量に摂らないようにするのが大人の作法とされている。
てんぷらとスイカ 
 これも有名な一つ。油の多い天麩羅と、水分の多い西瓜を一緒に食べると、胃液が薄まり、消化不良を起こすことがある。胃腸の弱い人、特に下痢気味の人は、避けたほうが無難。腹痛の波が大荒れになってしまう。
かぼちゃとみかん
 これもありそうな一つだ。みかんの食べ過ぎでも指摘されることだが、この両方を組み合わせるとカロチンの過剰摂取になり、身体が黄色くなり、酷くなると腎臓を傷めることもあるので、食べ合わせには注意が必要だ。
キュウリとトマト
 これもよくありそうなパターンだ。キュウリに含まれるアスコルビナーゼという酵素がトマトなどのビタミンCを破壊してしまう。ただし、キュウリを酢の物にしたり、漬け物にしたりすれば、酵素の働きを抑制してくれる。
 まだまだいっぱいあるが、この話はここまでとする。

2017.5.7 生活の知恵(その六)
 生活の知恵、今回はおばあちゃんの知恵からその内のひとつを紹介する。
 おばあちゃんというところから、想像がつくように、長い主婦生活の中で生まれた現代版生活の知恵で、エコで節約にもなる、暮らしの中で十分生きているものである。今回選んだのは台所周りの掃除のほんいくつか。
台所の掃除方法の主役は重曹と酢
 台所を掃除するときに困った汚れの原因は、油汚れと水垢やぬめりで、頑固にこびりついた時は、台所掃除用の専用洗剤でないと、なかなか落とすことができない。
 油汚れにはアルカリ洗剤や、水垢やぬめりには塩素系の漂白剤というように台所の汚れによって使い分けられる。
 しかし、強力な台所掃除用洗剤を使うのはちょっと抵抗があるものだ。そこで登場するのが、重曹と酢で、頑固な汚れでないという条件がつきだが(まめに掃除すれば頑固な汚れは付かない)、油汚れには重曹、水垢やぬめりには酢が使える。重曹や酢は料理以外にも色々な使い方があるものだ。
 汚れたからといってクレンザーやスチールタワシなどで磨き洗いをすれば、大事な台所のステンレスに傷がついていまう。傷をつけずにきれいに汚れを落とすには小麦粉と酢が便利。小麦粉に酢を混ぜ合わせ、ペースト状になったものをスポンジにつけて台所のステンレスを磨けば、汚れをとってくれる。ステンレスの光沢がなくなってきた場合は大根の切れ端で磨いた後、レモンの皮で磨いてやるとピカピカになる。
換気扇の汚れは灯油で落とす
 換気扇の掃除にも、重曹が使える。大さじ2杯の重曹と、500mlのぬるま湯を入れて混ぜ合わせた重曹水をスプレーし、拭きとろう。フィルターは、重曹を溶かした液につけ込んで、磨くとよい。
 また頑固な汚れは通常の洗剤ではなかなか落とすことができないが、灯油が使えることをしっているだろうか。換気扇の油汚れを油で落とすとは何とも不思議な話だが、実によく汚れを落としてくれる。ぼろ布に灯油をしみこませ拭いてゆくだけで、おもしろいように汚れが落ちる。
水道蛇口は重曹で
 水道の蛇口がくすんでしまって光沢がないと、せっかくきれいに掃除したキッチンも台無し。水道の蛇口付近は、水道水に含まれる鉱物が固化したスケールと呼ばれる汚れの付着が一番やっかいだ。この汚れは通常の洗剤では落とすことが困難なので、スケールを取るには重曹を使う。水で湿らした重曹をふりかけ磨いてやると、見違えるほどの光沢がよみがえりる。さらに重曹で磨いた後、酢で湿らせてやると、重曹のアルカリ分を中和してくれ、抗菌効果が期待できる。(参考文献の「おばちゃん知恵袋大事典:宝島社」には2000例ほどが記載されている)
 次回は生活の知恵をどう生かし育んでいくかについて考え、この話題の結びとしたい。

2017.5.11 生活の知恵(最終回)
 今まで日本人が長い暮らしの中で培ってきた生活の知恵について考察してきたが、最終回はこれから日本人は如何にして伝承されてきた固有の生活の知恵を、更に深めて新しい時代に引き継がれるようにして行くかについて考えてみる。
 古いものを使う工夫や、今あるモノを生かすことに独特の知恵を働かせてきた。この日本人の才覚はどの国も認めることだろう。一方、新しい革新的変化を生み出す能力には力不足の感は否めない。英語で技術革新をイノベーションと言い、再活用をリノベーションと言う。
 後者に関しては実証済みだが、前者については世界の最先端をいっているとは言い難い。というのが現状だ。
 振り返って考えると、匠の技は際立っている人間が、新技術を生み出せないわけはないはずだ。全ては基礎技術の上に成り立ってると言うことは誰もが認めることだと思う。
 例えてみれば、一流の野球選手は自分の時間を遊ぶことより身体を鍛えることに振り向けるという。長いペナントレースに生き残るためには並みの体力では間に合わない。彼らは口を揃えて「練習また練習を続ける」という。これが示すように技術革新もまた単なるアイデアだけでなく、そのベースになる基礎体力のようなものが欠かせないのではないかと思う。
 今まで述べてきたように、日本人にはその基礎体力が備わっている。そこにどのような知恵を加えれば進化したモノが生まれるのだろうか。人は容易に振り返ることはできるが、先を見通すことは極めて難しい。しかし、試行錯誤の末にしかイノベーションは生まれないだろう。
 前にも記したが、「江戸庶民は多くの制約や、モノが不足する中で、心豊かな日々の生活を送っていた。お互いが助け合うことを厭わず、その知恵と工夫でたくましく生き抜いた」と歴史が語っている。
 現代はIT社会の真っ只中にある。この現象がもたらすのは、個の重視で自分一人で生きていけるという錯覚を特に若い人にもたらしているようだ(悟り世代」などと名付けた人いる)。人はその文字が示すように支えあって生きていく動物である。このままでは心の通わない人工知能が人を支配する暗い未来しか見えてこない。
 今一度立ち止まって人との結びつきを大切にし、心豊かな世界を取り戻すことが、伝統的持続的生活の知恵を21世紀に生かすことに通じる当面の課題だと思う。

2017.5.15 ひらがなの生い立ち
 普段文章を書くとき、ひらがなを多く使う。もちろん漢字が入らないと読みにくいし、誤解も生じることになる。例えばこの行に書かれている「漢字」は「感じ」と同音で、入力の序列は「感じ」の方が上にある。しかし、一方漢字ばかりの漢文は中国伝来の言語体系だから、今の人には全く馴染まない。漢字とひらがなの文章中の割合は、自分の文章の場合大体25パーセントから30パーセントが漢字で、それ以外はひらがな又は記号である。
 このようにひらがなは文章中で多用される。このコラムでも「2016.4.12 いろは(仮名文字)」で簡単に触れているが、もう少し詳しくそのルーツを探ってみた。
 ひらがなもカタカナ同様に漢字を母体にしているが、その成立過程は「漢字→万葉仮名→草仮名→女手(ひらがな)」という順で成立したと考えられている。ひらがな字源一覧表(クリックすると画像が表示される)にあるように、万葉仮名の存在が重要であったことが感じ取れる。
 安→あ、以→い、宇→う、衣→え、於→お(遠→を)のように簡略化されたものと考えられる。ひらがなはカタカナと違って、和歌・書道に大きな役割を果たしたものと思われる。ひらがなが生まれる過程では字体の統一は単純ではなく、そのくずし方によっては、かなりな多様性が見られ、中にはカタカナとも共通する字体は多く存在する。
 俗に変体がなと呼ばれるものである。次にその例をあげると,、次のような文字がある(Wikipedia) 。
「以(い)江(え)於(お)可(か)起(き)古(こ)志(し)春(す)多(た)奈(な)能(の)者(は)由(ゆ)連(れ)路(ろ)王(わ)」
 ここで注目したいのは変体仮名という呼び名は、近代に入って平仮名の字体の統一が進む中でつけられたもので、元来、平仮名・変体仮名という区別はなく、近世までの平仮名使用者は様々な種類の平仮名を同時に用いて使いこなしていたのである。
 平安朝初期までは男は漢字漢文で日記を書いていたが、紀貫之の『土佐日記』は、わざわざ「男もすなる日記、女もしてみむとするなり」と断っているように、当時は女性がひらがなで書いていた。そうした時代背景の中で源氏物語や枕草子など女性文学が開花したことになる。これらの文学も変体がなで書かれたものである。 こうして貴族階級から解放されたひらがなは、武士階級へ、さらには一般庶民層へと広がりを見せていくことになる。
 平仮名文学、あるいは草紙のような出版物、また手紙や個人の手記などについても、明治時代までは平仮名によって書かれた文章の多くが、今でいう変体仮名で書かれている。というのが「ひらがなの生い立ちと変遷」である。

2017.5.18 梅雨の歳時記
 気象庁によれば今年の梅雨入りは関東地方では、平年なら6月8日(昨年は6月5日)であるので、もうそろそろであろう。16日15時現在の梅雨前線は沖縄周辺の海上に停滞しているようだ。
 芭蕉の句に「 五月雨を あつめて早し 最上川」という有名な句がある。この五月雨と梅雨とはどのような関係にあるのだろう。辞書には「陰暦五月頃に降り続く雨。つゆ。梅雨(ばいう)。長雨(ながあめ)」とあり、梅雨の長雨であることはハッキリしている。陰暦であるので現在の6月8日に当たるので、きっと気象庁の予想は、歴史的経験則に基づくものなのだろう。
 やがてやってくる梅雨は毎年のことで、この歳になると、それはそれで風情のあるものである。梅雨を楽しむとまでは行かないが、初夏の叙事詩ともなる梅雨を、古き歌人たちはどのように詠っているか拾い出してみた。
「紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘」これは正岡子規の一句で「人の心も花の色のように移ろいやすい」という気持ちがよく出ている。紫陽花は梅雨を代表する花で、私もこの花(疑似花だが)しか目に浮かんでこない。
「 さみだれや大河を前に家二軒」この句は蕪村の読んだ歌である。蕪村 62歳の作。そこに浮かぶ光景は「五月雨が降り続いて勢いを増した川が流れている。そのほとりには危なげに家が二軒建っている」
「正直に梅雨雷の一つかな」一茶。これも知られた句。よく雷が鳴ると梅雨が明けるというところから「もうそろそろ梅雨が明けるのだろうか」とでも詠んでいるのだろうか。「正直に」という言葉が何やら意味深である。
 ここで角川のハンディー入門歳時記で『梅雨』の解説を見ると「やや早い時期、5月末ごろにみられる入梅の兆候を走り梅雨という。梅の実が熟するころの雨のため梅雨と呼ばれるとも、カビの生じやすい気候のため黴雨とも呼ぶという。日本では古くは五月雨(さつきあめ)・さみだれと呼ばれ、江戸時代になって梅雨と呼ばれるようになった」とある。
 雨の中ひっそりと咲き誇る紫陽花などを眺めながら、一句ひねるのもこの時期に相応しい趣向ではある。

2017.5.21 翻訳ソフトは使えるか 
 私のホームページの閲覧データを見ると、外国からのアクセス者が10%~15%あるのにいささか驚いた。外国の閲覧者は私の日本語ページをどう読み、どう理解しているのだろうか。それとも比較的に閲覧数の多い、動画や描画など言語の壁の低いページを閲覧しているのだろうか。その辺は定かではないが、今という時代はグローバルに物事が展開しているのは事実である。それは当然インターネットの発展に負うところが大きいが、その中で言語の壁を打ち破るAI技術、中でも翻訳ソフトの果たす役割が大きい。たとえ外国語が解らない人でも翻訳ソフトで自国語に翻訳して大意を把握できる
 そこで無料で公開されている代表的な翻訳ソフトである「Google」「weblio 」「Exite」を使って、上記太字の箇所を英訳してみた。(Yahoo翻訳は終了している)
「Google」Even people who do not understand foreign languages can translate them into their own languages with translation software and grasp the significance.
「weblio」Even the person who does not understand a foreign language translates it into a native language by translation software and can grasp the gist.
「Exite」The person who compares and doesn't understand a foreign language is translated into a vernacular by a translation software, and the gist can be grasped.
 この結果は大同小異ぐらいの違いで、いずれも翻訳に成功している。私が見るに「weblio」が最も簡略で的を得ている翻訳をしていると判断した。検証のため英訳文を再度日本語に翻訳しても、同様の結果を得ることができた。
 以上でも分かるように、文章の段落を短く、かつ要領よく作成すれば、翻訳ソフトで十分に相手に文意を伝えることが出来ることが判明した。翻訳ソフト侮りがたしである。

2017.5.25 広がるスポーツの国際化
 新聞のスポーツ欄を見ると外国人が各分野のスポーツに進出していることに気付く。この分野でもグローバル化の進展がみられる。その実態をざっと見ると、プロ野球界では主力選手の大半は外国人で占められている。元大リーガーというのが大半だが、それも外国人枠₍ベンチに入れるのは4人₎というのがあって、ベンチ入り25名中の5分の1に満たない。メジャーリーグでは全体で25%という枠があるそうだが、ベンチ入りには制限はない。そのため。ドミニカ、ベネズエラといった中米系の選手が半分近くを占めるチームさえあるという。そこには元々移民国家であったという国内事情もあると思う。スポーツといえば私の時代は野球で、子どもの頃から親しんでいる。今はサッカー人口も増えて野球を凌ぐ人材が育っているかもしれない。この二つのスポーツは人気が高く、国内の人材活用という測面から枠を設けるのは分からないではない。それなのになぜか活躍するのは外国人というのは少し情けない。
 一方、国技といわれる相撲の世界は全く別の様相を呈している。モンゴル勢が日本の相撲界を支えている感すらする。稀勢の里が29年ぶりとかで横綱になったので、ずいぶん騒がれ、またぞろ純国産に対する話題が復活している。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の譬えではないが 、相撲界は一時期物凄い人材難に襲われたことは誰もが知る事実だ。その時救ったのは外国人力士の活躍だ。
 もっとも伝統のある古い体質の日本の相撲界が、最も新しい改革を行った。理由はともあれ勝ち負けがすべてのスポーツの世界。これも下手な譬えで「情に竿させば流される」という諺もある。下手な愛国心は自然の理に逆らうことになると思うのだが。
 日本人は適応力が強いということは今までの随所で述べてきた。何々協会とか何々連盟とかいう存在は大体が後ろ向きで、現状維持に汲々として前進する意欲はさらさらないようで、これでは国際化の流れに適応する柔軟さに期待するのは難しいことだ。

2017.5.28 ベスト なお金の使い方1
 つい最近のエッセイで「購入癖(日本人の消費性向)」について語ったので、一般論として賢い「お金の使いかた」とはどのようなものなのか、http://okane-matome.jp/のアンケート結果から拾い出して観察してみた。
 このアンケートは100人の調査結果をまとめたもので、サンプル数としては少なすぎて、これを一般論として認めるかは別の話として見て頂きたい。
 まずは回答のタイトルで、答えの内容が推察できるものだけを選び出した。その質問のタイトル「賢いお金の使い方」に対する回答を列記する。
「・ちゃんと吟味してから・花咲く人・長期的視野に立った買い物・クオリティーの高いものを購入・大人のつきあい・節約と消費のバランス・本を買う事・メリハリのある遣い方をする人は賢い・お金は人のために使う・バランスよく使う!・将来への投資!賢い飲み会代の使い方・買い物上手・将来生きる使い方・情報を集めて買う・寄付や援助等・子供に買ってやる絵本・本当に必要なものか見定める・財産として残る物にお金を使うのは賢い・思い切った大物買い(家など)・給料には手をつけない(貯金で生活費をねん出)・ちょっと質のいいものを・安くて高品質な物を買うのがベスト・宝くじが当たった時の賢いお金の使い方・必要ないものは買わない・かけた以上のお金が自分に返ってくる使い方・先の見えない世の中のお金の使い方・目標のための節約生活・将来につながるお金・自分や人の役に立つこと・お金に対するメリハリ・ほどほどに使う・貯めて熟慮して買う・必要なモノで長く使えるモノ・勉強に使う・自己投資・自分への投資・宝くじは賢い使い方・値段の高い物を長期間使う・日本株に投資・アマゾンでの商品選び・本当に必要なときだけ使う・ギャンブルで日常では味わえない興奮を買う・自分の身につくものに対しての支出・株式や投資信託などに対する投資・長い目で見て割に合うものに使う・お金の管理を確りする・価値を感じるものに使おうよ。お金・先行投資・優先順位と重要度の見分け・お金の使い道は自分投資が賢い!・価値のなくらない物を購入する・DVDや本は観たり読んだらすぐ売る事・使いたいときに使ったほうがいい!・教育のために賢明にお金を用いる」
等々である。ほとんどが内容的には重複するので、次回内容を検証して、その傾向分析を行うことにする。

2017.5.31 ベスト なお金の使い方2
 このアンケートは基本情報が欠落していることを最初にお断りしておく。例えば「性別」「年代」「独身・世帯持ち」「住宅事情」「職業の有無」などである。その人それぞれの属性が回答に大きく影響するので、まとめに際し、ある一面という限定での傾向という分析にならざるを得なかった。一つ明確の事はこの調査の対象者が現役世代であることは、回答内容から容易に判断できる。したがって老後世代の金の使い方とは全く違った方を向いていると、私のような年金生活者は思う。
 さて、回答内容から仕分けしてまとめていくことにする。
「下調べ型」
・本当にほしいものは、吟味して買う。いろいろな店を回って金額を比較してから購入する。
「先行投資型」
・長期的視野に立って買い物をする。例えばガソリン代などを考え、ランニングコストの低いハイブリット車や電気自動車を初期費用は高くても購入する。
・目先の利益にとらわれず、その時は痛い出費でも元が取れる、先々を考えた交際費の使い方。
「クオリティ重視型」
・いいものは長持ちして飽きないので、節約して品質の良いものを買う。
・日頃からお金をコツコツと貯めて、 本当に欲しい物を買うために使う。無駄遣いもなくなる。
・本当に欲しい物の為に使う
「均衡型」
・節約と消費のバランスが大切。貯めるのもいいが、お金は使わなければ回ってこない。
「ノウハウ蓄積型」
・読書は心を豊かにする。いらなくなれば売ることもできる。
「メリハリ型」
・家や家具など大きなものを購入するときにケチらずに必要な場所に必要なだけお金をかける。こういう時の支払いに備えて貯金をしておくということを心がけるメリハリの良さは大切だ。
「チャリティー指向型」
・自分のためではなく他人、人のためにお金を使うのが賢い使い方だ。人に喜んでもらったり親切にすれば、後々困った時に助けてくれたり、人脈が広がったりして、お金では買えない縁を手に入れる。
 紙数の関係で内容の紹介は次回も続く。ジャンル分けが重複することをお許し願いたい。