天気もよく風もない良い日和だったので、桃の節句も近いので、どこか桃の花を観る場所はないかとネットで探してみた。一つ見つかったのがこれから紹介する場所だ。
青葉区の美しが丘にある覚永寺下バス停のすぐ近くに元石川「花桃の丘」という場所だ。
下調べで、市営地下鉄ブルーラインの終着あざみ野駅から約2キロぐらいと、見当を付けていたので歩くことにした。ところがこれが大誤算で、先ず駅の出口を間違えた。スマホに地図に起点と終点を設定して歩き始めたのだが、最初から方向が違いますときた。方向音痴は百も承知の上の選択だとしても、碌なことはない。
スマホのナビの指示に従って歩いたのだが、バス停を5つも6つも過ぎて、距離表示も2.5キロ近くまで進んだところで、やっと残り400メートル余り、左に曲がれと表示された。道を進むと会社の敷地に入ってしまった。入口の警備員にこれ以上奥へは行けないと言われ「この辺で桃の花の有名な場所はありませんか」と聞いたが、知らないという。後で分かったことなのだが、この会社はウシオ電機といって同じ番地の中にあった。桃の木台などと俗称が付いていたので、地図に地名がなく、終点には観光マップの住所を入れたのが迷った原因だった。目的地は桃の木が沢山植えてあるただの畑だったのでナビも、こんな風に誘導したのだろう。一度は諦めて帰ろうかと思い、道を戻っていく道すがら、お年寄りが玄関前で掃除をしていた。ダメ元で聞いてみることにした。先ほど警備員にしたのと同じ質問をした。驚いたことに、さすが地元の古老らしく、桃畑のことをよく知っており、丁寧に道筋を教えてくれた「覚永寺を通り過ぎたら上りに入る道がある。そこを真っすぐ行けばよい」
言われた通りに歩いたつもりだが、また間違えた。上り道と平らな道の分岐点で平らな道を選んでしまった。それでも直ぐにおかしいと気付き、畑仕事しているおじさんに道を確認した。道が違うと言われ、ほんの少し戻ってやっと正しいコースを辿ることができた。ここまでで距離にして倍近いロスであった。最初から詳しく調べて、バスで行けばよかったと内心後悔した。
紆余曲折を経てやっと辿り着いた桃畑。広大な桃畑が目の前一杯に広がっていた。所々梅の花が満開を迎えていたが、お目当ての桃の花はまだ程遠くほとんどが蕾の状態であった。それでもそこここに鮮やかな紅の色を見せていた。これが全開したらさぞ見事だろうと思いつつカメラに収めた。帰りは坂を下って、直ぐに見つかったバス停に考える間もなく飛び乗ったが、行きの道とは違い、田園都市線の多摩プラーザ駅に戻ることになった。完全に方向を見失っていたわけだ。多摩プラーザ駅はとてもモダンな駅で若人の姿や子連れが多く目立った。平日の昼間老人の姿の少ない街は珍しい。今回は方向音痴を嘆くレポートになってしまった。