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 ことば遊び(その2)


 次なることば遊びは「どちらにしようかな」である。Wikipediaによると、やり方は、両手の握り拳の中に隠し持ったを当てる遊びで、最後の一音の時に指を差している方に決定するというもので「どちらにしようかな (天の) 神様の言う通り」が一般的である。
「どちらに」が「どっちに」になったり、また複数のものから1つを選ぶ場合は「どちらに」が「どれに」になったりする。小学生を中心に多用され、地域ごとにバリエーションが異なっていることも多々ある。 私の子ども頃は「どれにしようかな 神様の言う通り 」だったような記憶がある。
 「なぞかけ」も代表的なことば遊びのひとつで、なぞかけの形式は「○○とかけて××と解く。その心は□□」というもの。 ○○と××という一見なんの関係もなさそうなものを提示し、共通点として□□を示す。落語家などが大喜利などで余興として頻繁に行っている。一例をネットから拝借すると「枝豆とかけまして、竹刀と解く。その心は、さやは要りません」とか「エアコンとかけまして、盆踊りと解く 。その心は、オンド(温度・音頭)が肝要です」などがあげられる。 
 「もじり句」というのは、かつて大流行した五七五の短詩型文芸で、言葉の二重構造を楽しむ言葉遊びのこと。形の上では俳句や川柳と同じく五七五であるが、中の七音が二つの異なる意味を持って、上の五音と下の五音につながる構造をしている。江戸時代に始まった文芸で、300年近い歴史を持っている。江戸時代のもじり作品例「御祖師さま 有難かりし/ 蟻が集(たか)りし瓜の皮。籠枕 転た寝にする/歌、種にする 恋の文。炙り餅 焦がしゃ固なる/子が釈迦となる 摩耶夫人。親に孝 するが第一/駿河第一竹細工。瓦屋根 葺くと腐らぬ/福徳去らぬ 長者の家」となかなか乙なものである。現代風のものでは「預けても 最低の利子/咲いて祈りし彼岸花。生命の水 沢が鹿には/騒がし蚊には殺虫剤。呼び出され 至急出る家/四球で塁へゆっくりと。時は行く 隙間も無くに/好き、間もなくに惚れた仲」といった風になる。
 「回文(かいぶん)」という遊びは、上から読んでも下から読んでも同じになる語句をいう。「竹屋が焼けた」は誰もが知る例だが、現代でも「西が東に(にしがひがしに)」や「よき月夜(よきつきよ)」などがあげられる。時代は遡って室町中期以前と伝えられるもので「長き世の遠の眠りのみな目ざめ波のり舟の音のよきかな(現代読み:なかきよの とおのねむりの みなめざめ なみのりふねの おとのよきかな)」は短歌(宝船)の一首で回文歌と呼ばれた代表作として今に伝わっている。とてもめでたい歌で、初夢で良い夢を見るために、七福神が乗った宝船の絵にこの回文の歌を書いて枕の下に入れて眠るという風習は長く続いたという。
 次回は語呂合わせ、早口言葉 、洒落、地口などを取り上げることにする。(2017.6.24)



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