後編では前編とは反対側の景色、ベイブリッジから山下公園にかけてを紹介し、次に大さん橋の薄暗い鯨の腹の中にある展示場に飾られている歴史に名を遺した船の模型を紹介する。
ここで、この展示場に飾られた横浜港大さん橋歴史パネルからその歴史を書き出してみた。
①大さん橋の建設
大さん橋の周辺は、横浜港の発祥の地。1859(安政6)年の開港時に造られた2本の波止場に始まり、貿易の中心として、また、西洋文化の窓口として重要な役割を果たしてきた。英国人技師H.S.パーマー(1836~1896)の計画による、鉄製の大さん橋が1894(明治27)年に完成した。また、日清戦争(1894~1895)以降も貿易の拡大や船の大型化に合わせて、拡張工事を行い、1917(大正6)年に完了した。規模:長さ457.2m、幅19.1m、水深7.9m。
②関東大震災と復旧
大さん橋も1923(大正12)年の関東大震災により大きな被害を受けた。このため、工事を行い1925年に、ほぼ震災前の規模に復旧した。規模:長さ366.3m、幅40.9m、水深ー10m。
③昭和初期
船の大型化に合わせて、さん橋の補強と長さ、幅や水深を増加させる第三期工事が1932(昭和7)年から1936(昭和11)年に行われた。規模:長さ450m、幅49.5m。
④東京オリンピックとクルーズ客船時代
1964(昭和39)年の東京オリンピック開催に合わせて、新しい客船ターミナルが造られた。
パネル表示はここまででその後の歴史はリーフレットから抜粋した。
⑤その後の歴史
1989年(平成元年)老朽化による大さん橋地区再整備事業により改修工事着工。
1995年(平成7年)新ターミナルの国際デザインコンペで最優秀作品が決定(それが鯨の背を思わせる ユニークなデザインであった)。
2000年(平成12年)新ターミナル新築工事着工。
2002年(平成14年)新ターミナル完成。
なお、横浜港大さん橋は英語表記ではOsanbashi Yokohama Internationai Passenger Terminalとなっており、船の停泊だけでなく乗降客の発着口を兼ねていることを明示している。今なお名実ともに日本一の国際ターミナルである。