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 二十四節気(前編)


 改訂版 暦と日本人の生活(2017.6.18)でかなり詳しく暦について書いたが、一つ書き残した項目があるので、ここで紹介する(出典「現代こよみ読み解き事典」)。
 それは「時の風物詩」で今日は何の日で紹介している二十四節気についてである。
 二十四節気というのは、太陰太陽暦が月の満ち欠けをもとにして月日を定めたものであるが、太陽暦と比べると一年の周期が異なるという欠陥がある。それを補うのが二十四節気で、太陽暦の要素を持っている。
 二十四節気は暦面に気候の推移を示す二十四の基準点がある。旧暦では、冬至を起点として一太陽年を二十四等分したものである。現在の新暦では、春分点を起点とし、太陽が春分点を出てから、再び春分点に達するまでの黄経360度とし、これを二十四等分して、各節気を配置し一年間の気候の移り変わりを分かるようにしたものである。各節気の一期間は約15日で、各気の間隔はいつも同じであるが、実際は14~15日となる。
 太陽暦に二十四節気を導入し、暦面に24の節目を注記することで、太陰暦から太陰太陽暦へと移行し、気候の推移を太陽の推移で示すことができるようになった。
 この二十四節気は南北に長く伸びる日本においてはおよそ半月ごとの季節の変化を示すものとしては非常に便利なもので、日本の風土の中に根付いている。
 この二十四節気とは次のような名前が付いている。
立春:新暦(以下同様)二月四日頃『節分の翌日』で、雑節の基準日でもあり、八十八夜・土用・二百十日などを起算するもとになる。
雨水:二月十八日か十九日頃で、雨水ぬるみ、草木の発芽を促し、萌芽の兆しが見えてくる。
啓蟄:三月五日か六日頃で、この頃になると冬の間、土の中で冬ごもりしていた、いろいろな虫が穴を啓(ひら)いて地上に這い出してくるというところから啓蟄と呼ばれる。
春分:三月二十一日頃で、太陽は真東から昇って真西に沈み、昼と夜の時間がほぼ等しくなる。この日は春の彼岸の中日といい、国民の祝日の一つである。
清明:四月四~五日頃で、清明は「清浄明潔」を略したもので、「万物ここに至って皆潔斎なり」と称されるように、春先の清らかで生き生きとした様子をいったもの。
穀雨:四月二十日頃で、穀雨とは、百穀を潤す春雨をいう。この頃は春雨の煙るがごとく降る日が多くなる。
立夏:五月五日か六日頃で、春ようやく褪せて、山野に新緑が目立ち始め、風も爽やかになって、いよいよ夏の気配が感じられてくる。
小満:五月二十一日頃で、万物次第に長じて天地に満ち始めるという意味から小満といわれる。気象的にはこの頃から梅雨となる年が多い。
芒種:六月五日~六日頃で、芒種は梅雨入りの前で、昔の田植えの開始期に当たる。雨が間断なく降り続き、農家は田植えの準備などに多忙を極める。芒種とは、稲や麦など芒(のぎ)のある穀物のこと。
夏至:六月二十日頃で、夏至は夏季の真ん中に当たり、梅雨の真っ盛りで、しとしとと長雨が続く。なお、夏至線は北回帰線ともいい、北上してきた太陽は、夏至の日にこの線の真上を通過し、以後再び南下する。
小暑:七月七日頃で、この日から暑気に入り、暑中見舞い出されるようになる。小暑の前後に梅雨が明け夏の太陽が照り付けて、暑さは日増しに加わってくる。
大暑:七月二十三日頃で、夏至から約一か月後である。一年中で最も気温の高い酷暑の季節である。大地が潤って蒸し暑くなり、時々大雨が降る。夏の土用はこの季節に入る。
 後編に続く。このように、昔の人は季節の分かれ目にも風情のある命名をしたものである。(2018.5.19)








 


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