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 日本昔話(第五十三話) 稲妻大蔵

 

 むかし肥前の諫早の稲妻大蔵という相撲取りは、母が八天岳の山の神に祈って生れた子でありました。天狗様の申し子であったので、如何なる敵に会っても勝たぬということはなく、とうとう日本一の大力士となりました。ところが成年の晴れの勝負の前に、相手になる力士が色々と頼みますので、あまり気の毒だと思ってつい憐みの心を起し、たった一度だけ勝ちを譲ってやりました。そうしたら忽ち天狗が稲妻の身を離れて、それからは急に弱い力士になってしまったという話であります。(備前北高来郡)2018.11.27

 

 

 

 

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