5月の終わりから6月初めにかけて腰の手術することになって一週間ほど入院することになった。従って一週間休刊させて頂いた。
これから記すことはその体験記で、あまり日常生活では味わえないものとなった。初日のビックリ体験は入浴だった。その時はまだ左足が痛くて動くのに不自由で、人の助けなしでは風呂に入るなんて考えもしなかった。その人の助け(介護士)があったのだ。体格の良い中年女性で、私を素っ裸にして浴室に導き入れた。これ事態私にとって驚天動地のことなのだが、大人になって初めて人の手で頭のテッペンから爪先までくまなく洗ってもらった。仕上げに足の爪まで切ってくれた。これも体が壊れかかったことのなせる技でもろ手をあげて喜べる話ではないが、この歳にになっても新鮮な記憶を刻んだ出来事となった。この入浴は手術を受ける人が常に受ける通過儀礼のようなもので、どうも体をできるだけ清潔にして手術に臨ませるためだと推測できた。
こうして一晩明けて手術室に向かった。ストレッチャーに乗せられ、廊下の照明灯が流れていき、エレベーターで1階の手術室に入るとUFOのように明るく輝く円盤が目に飛び込んできた。すぐに口の中に管が入れられその瞬間に眠りに落ちていた。確か5年前の手術のときは口にマスクを被せ笑気ガスだったと記憶しているが、それは京都議定書の地球環境保全のため既に全面廃止になっていると看護師が言っていた。次のシ-ンはかすかに私の名前を呼びかける声だった。その声が段々と大きくなって私は覚醒した。
いつの間にか足の痛みは消えていた。これは手術が成功したことの証しだろうと体感した瞬間だ。またストレチャーに移され病室に戻された。手術初日は虫のような管人間状態だった(詳細は日常細事で)。この管類は術後3日間で順次取り外され退院を迎えることができた。次回は病院に働く人たち