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   絵物語 復刻版 千絵ノ海

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千絵の海(全十図)
 千絵の海は夭保四年頃に森屋治兵衛という版元から出版されました。
 諸国の海や河川をモチーフに、そこで漁をする庶民の様子がリアルに描かれています。
 見事な水の描写だけでく、人々の姿もいきいきと描かれており、北斎の非凡な才能を垣 問見ることができます。
 構図も迫力があり、深い藍を使った水の色彩も美しく印象深いものとなっています。
 この「千絵の海」というタイトルは「知恵の海」の言葉遊びで、知思の深さを海の深さに に例えて名付けられたそうです。江戸っ子は洒落ずきであり、浮世絵のタイトルにもよく語呂合わせの趣向が取り人れられていました。

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01甲州火振(こうしゅうひぶり)
 夜の川辺を松明で照らし、魚をおびき寄せる漁法を火振と呼びます。水の中に人って魚を捕まえる漁師たち、渓流の早い流れ、松明の炎の動きい見事な躍動感で表現されています。また、夜空に瞬く星の表現も繊細で素晴らしいものです。

 

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02宮戸川長縄(みやとがわながなわ)
 江戸両国界隈の宮戸川の景色を描いた作品です。一本の幹糸から数多くの釣り糸を垂れ流す釣りを長縄といいます。遠景に見える城壁の建物は幕府の御船蔵です。

 

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03絹川はちふせ(きぬかわはちふせ)
 手前の幾層にも色分けされた波の描写、漁をする裸の男たちの活き活きした様子、そして巨大な砂山が大変インパクトのある、絶妙な構図の作品です。絹川とは鬼怒川のことです。

 

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04下総登戸(しもうさのぶと)
 静かな内海で潮干狩する人々の様子が、ゆったりとした風景とともに描かれています。海は波一つ無く、還景の山や雲もどこかのんびりした雰囲気をかもしだしています。和やかな雰囲気のなか潮干狩する人々は楽しげで、のどかな田舎の風景は懐かしい気持ちにさせてくれます。

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05待チ網(まちあみ)
 橋の下の段差を流れ落ちる水のしぶき、場所によって変化する流れを見事に表現した北斎の画力に驚かされる作品です。水の量感や勢いを見事に描き出しています。様々な方法で漁をする人々も活き活きと描かれ、見ていてあきることがありません。また、網の表現にも注目です。薄くぼかしを人れて色を重ね摺ることで、網目の向こう側が透けるように工夫されています。

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06蚊針流(かばり・ながし)
 蚊針流は蚊や虻などに似せた針を川に流して魚を釣るものです。曲がりくねった川の流れが、いくつもの絶妙な線で表現されています。絶好の釣りポイントなのでしようか、五人もの釣り人がいます。いかにも魚のいそうな川の淀みが北斎の画力によって見事に表現されています。釣り人の丸い笠と手に持った三角の網が幾何学模様になっていて、北斎らしさを感じさせます。

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07五島鯨突(ごとうくじらつき)
 五島列島の捕鯨の様子が描かれています無数に並んだ船が小さく描かれ、巨大な鯨の存在感が強調されています。静かな湾に追い込まれた鯨の周囲には細かく飛沫が描かれ、ダイナミックな臨場感あふれる作品になっています。


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08相州利根川(そうしゅうとねがわ)
 利根川で大きな網を操り漁をする漁夫の姿を捉えた作品です。全身を使って漁具を操る漁夫の臨場感は、まるで一瞬を切り取った写真のようです。いまにも動き出しそうな描画は、北斎の得意とするところです網目の向こうに風景が透けています。薄くぼかしを用い、色を重ねるという手間のかかる作業で、この効果を出しています。川面の複雑な流れを表現した線も見事です。

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09総州(そうしゅうちょうし)
 画面一杯に描かれた海面、手前に大きく描かれた船、波の勢いに負けじと精一杯櫂を漕ぐ人、激しく砕ける波の飛沫・・・目然のダイナミックさと漁師の力強さがひしひしと伝わってきます。北斎のオリジナリティあふれる才能を感じさせる傑作です。

 

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 相州浦賀は現在の横須賀あたりです。波一つ無い内海で釣りを楽しむ人々が描かれています。岩場の先端に建てられているのは常夜灯です。魚を釣り上げたばかりの人物のリズミカルな描写が、静かでゆったりした情景のアクセントとなっています。
   
 



 
 


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