2020.10.28 言葉に関する章(6)
頭に続いて、それに付随する髪(かみ)について成句などを探し出して、言葉遊びを続けることにしよう。
髪・髭(ひげ)・髻(もとどり)を使った言葉もかなりある。例によって「weblio辞書」を参照して説明していく。
先ずは髪の毛のない頭を「禿げ頭」というが、私の年代には相当数いる。やかんのようにつるつる頭のことをいう。「苦髪楽爪」という諺があるが、これは苦労しているときは髪の毛が早く伸びて、楽をしているときは爪が早く伸びるということらしいが、私は苦労する人は禿げるということだとばかり思っていた、どうやらこの諺には科学的根拠は見つからず迷信とされている。
ところが「白髪三千丈」と言う言葉を見つけた。これは唐代の詩人・李白の五言絶句「秋浦歌」第十五首の冒頭の一句で、通常「積もる愁いに伸びた白髪の長さは、三千丈(約9キロメートル)もあるかのように思われる」と解釈されている。矢張り思い悩むと髪の毛は白くなり、長く伸びるようだ。私などもほとんど白髪になっているから、きっと「積もる愁い」が募っているのだろう。
次は「一髪、二化粧、三衣装」という諺がある。これなどはトップページの人物百相「歌麿美人画」を見れば一目瞭然だ。美人に関しては「後れ毛」などとういう洒落た表現もある。これは「 女性が髪を結い上げたとき、襟元に残って垂れた短い毛」のことで、これがどんなものかは、現在表紙を飾っている「歌麿美人画」がぴったり当てはまる。
続いては小説などでよく使われるのが「間一髪」という表現で、事態が非常に差し迫っていることのたとえ。髪の毛一本が入るほどの隙間という意からきている。
その髪の毛一本に関する諺で「一髪、千鈞を引く」がある。これは「非常に危険なことをするたとえ。一本の髪の毛で千鈞の重いものを引っ張るという意から。千鈞(せんきん)は約6.7kgで非常に重いことのたとえ」とある。こういうのを剛毛と言うのだろうか。
今回は「髪」一筋に終わることになった。髭(ひげ)・髻(もとどり)などは次回に紹介する。
[言葉に関する章へリンク]。続く
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