日常細事2020


kiji

2020.10.31 言葉に関する章(7)
 前回紹介した髭(ひげ)・髻(もとどり)に話を進める。(wikipediaを参照)
 髭は自分では生やしたことがなかったので一律に髭と表現していたが、今回調べると髭は、くちひげ(髭)、あごひげ(鬚)、ほおひげ(髯)で漢字を使い分けるのだそうだ。
 一般的に髭と書くのは「くちひげ」のことで、ムスタッシュ(mustache)という。鼻の下、上唇の上の部分に生えるヒゲを長く伸ばしたものである。代表的な種類を上げると、
・カイゼル髭
伸ばした口髭を油や蝋で固めて左右を上へ跳ね上げて逆"へ"の字にしたもの。サルバドール・ダリで有名。ドイツ帝国の皇帝ヴィルヘルム2世が蓄えていたことからカイゼル(近代のドイツ語で皇帝の意。現代ではカイザーと発音)と呼ばれる。英語では髭の形が二輪車のハンドルに似ているため、"ハンドルバー・ムスタッシュ" (Handlebar moustache) と呼ばれる。
・どじょう髭
どじょうの髭のように伸ばした口髭を口の両脇に長く流したもの。またはどじょうの髭のように短くちょっとだけ生えている髭のこと。現状では相反する二つの意味で用いられている。ラーメンマンで有名。辮髪と共に中国人の象徴のように使われる。
・ちょびひげ
口髭を鼻の幅ほどに短く刈りこんだもの。アドルフ・ヒトラーのポートレートやチャーリー・チャップリンが有名。
 次はあごひげ(鬚)で英語で ビアード(beard)という。 第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンの肖像画や彫刻は見事なあごひげを蓄えている。
 やぎ髭などもこの部類に入る。やぎの顎下の毛のように顎鬚を長く伸ばしたもの。ホー・チ・ミンがこの髭で有名。
 最後はほおひげ(髯)、サイドバーン(sideburn)というが、みあげとの線引きが難しい場所で"長いもみあげ"やマトンチョップス(mutton chops)などと呼ばれる事もある。エルヴィス・プレスリーやルパン三世等が典型例。
 他にフルフェイスと言って顔の大部分を覆うような髭もある。フィデル・カストロにちなんで「カストロひげ」と呼ばれる事もある。
 蛇足だが、無精ひげというのがある。普段ひげを剃っている人のひげが、剃られずに伸びたままになっているもの。部位は問わない。これは結構どこでも見られ、ひょっとすると一番多いかもしれない。今回は髭の種類の列挙に終わってしまった。髻(もとどり)については次号となる。
[言葉に関する章へリンク]。続く
 

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